人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

金融危機はいつくるの?・・・「オーカミだよ!!」と叫ぶ狼

2011-02-18 08:18:00 | 時事/金融危機


■ アメリカの景気が回復? ■

アメリカも日本も株価が順調に回復しています。

ニュースや新聞にも「米企業、史上最高益を更新」とか「GM、社員にボーナス支給」や「アメリカの失業率低下」など、景気回復を思わせる見出しが躍っています。

こうなると、「金融危機の第二波」や「ドル暴落」を声高に唱えていた我々は、何だか「ウソツキ」の様に見えてきます。

■ QE3をやらざるを得ない米国 ■

実際はFRBが毎月10兆円ずつドルをばら撒いているに過ぎません。過剰に供給されたドルは株価を押し上げます。

アメリカ人は株式運用されている資産を多く所有しています。株価の回復は彼らの資産の回復を意味します。一部の人達が財布の紐を緩めるのも当然です。

しかし、6月のQE2終了までにアメリカの景気が回復基調に乗るかと言えば期待薄です。
製造業が衰退し、金融業が多くの含み損を抱える中で、アメリカ経済が本格的に回復する事はありません。(戦争でも起きれば別ですが・・。)

QE2の終了間際には、QE3論議が高まっているでしょう。

尤も、そうなれば多くの投資家達が、米国債やドルに見切りを付ける事になります。

■ 「オオカミだよ!!」と叫ぶ狼 ■

今年も「3月危機」や「6月危機」の噂が流れています。
又かとお思いの方も多いでしょう。

「金融危機論者」が危機を叫べば叫ぶ程、ニュースや新聞に洗脳された人々達は、危機論者への不信感を募らせます。

「又、オオカミ少年が何か言っているよ・・・」と。

しかし、「オオカミだよ!!」と叫んでいるのは、良心的な人たちだけではありません。
危機がいつ起きるかを正確に知っている者達は、「オオカミだよ」と叫べば叫ぶ程、人々の恐怖心が麻痺する事を良く知っています。


リーマンショック直後、人々は恐怖に襲われました。世界が奈落に落ちる事を本気で心配しました。金融の実体を正しく認識すれば、この行動こそが正しいのです。

現在、人々は危機に慣れてしましました。

オオカミ達は、村人達が警戒を解いて銃を置く瞬間を待っています。
人々が鍵を掛け忘れた時、オオカミが突然襲ってくるのです。

■ リスクを取るにはあまりに低い金利 ■

世界は金利に飢えています。
少しでも高い金利を求めて、人々は資産を運用しています。

しかし、現在の金利は、リスクに対して低すぎます。

現状は資産は増やすものでは無く、守るものなのです。

■ 資産を見直してみよう ■

あなたの資産は金融危機の第二波に耐えられるでしょうか?

生命保険の「積み立年金」は大丈夫でしょうか?
元本保証と言われていますが、20年後にその生命保険会社が存続しているでしょうか?
アメリカ国債や日本国債やMBSを兆単位で保有する生命保険会社は安全でしょうか?

投資信託は大丈夫でしょうか?
過剰流動性によって買い支えられる株式で水ぶくれした投資信託に価値がありますか?
MBSや危ない債券を目一杯詰め込んだ信託は大丈夫でしょうか?

銀行預金は大丈夫でしょうか?
信用金庫や地銀の資産がどうなっているかご存知ですか?
メガバンクは大丈夫でしょうか?MBSが紙切れになったらどうするの?

さて、皆さんが現在、あるいは将来受け取る金利は、リスクに見合っているでしょうか?

「・・・オオカミ少年がまた来たよ」と思っていると、ガブリとやられますよ。
ご注意を!!


八百長プロレスと化す国政・・・小沢問題というガス抜き

2011-02-15 06:07:00 | 時事/金融危機
イラストシリーズ 第6弾




「菅 VS 小沢」に国民の衆目が集まりますが、はっきり言って大相撲以上の八百長ではないかと私には見えます。

菅総理が小沢氏に無罪が確定するまで「党員資格停止処分」にするように動き出しましたが、「推定無罪」の原則を全く無視した反則攻撃です。

対する小沢氏も、のらりくらりとロープに逃げていますが、政争を長引かせて国民の目を「本当に大事な事」から逸らせている感がします。

目的は日本国民の目を、「アメリカの日本支配から逸らせること」と、「世界経済の実態を正しく認識させないこと」。

事実を知れば、国民資産1500兆円が一気に銀行から逃げてしまいますから・・・。

革命はインフレが引き起こす・・・フランス革命の原因は食糧難

2011-02-14 05:53:00 | 時事/金融危機


■ フランス革命の原因は寒冷化による不作 ■

エジプトの軍に管理されたような政変を、民主化革命とマスコミは持ち上げますが、世界の長い歴史を見ても、革命の直接的原因はインフレによる庶民の生活苦である事が殆どです。

フランス革命にしても、世間では「ルソーなどの思想の浸透が古い体制を打倒した」と語られますが、実際には不作による食糧難と、折からの財政赤字によるインフレが最大の原因でした。「パンをくれ」こそが革命の原動力だったのです。

ここら辺の事情は次に詳しく載っています。
長文なので興味がある方は読んでみて下さい。

<なぜ江戸時代は平和だったのか>
http://www.nagaitosiya.com/b/pax_tokugawa.html

① 太陽王と呼ばれたルイ14世の拡大政策は歳入の20倍以上の国債残高を生んだ
② イギリスの銀行家、ジョン・ローが兌換通貨を発行しフランス国債を買い集めた
③ ジョン・ローはミシシッピ会社を興し、アメリカの金鉱開発と称して株を売りまくった
④ ジョン・ローの会社は国立銀行(バンク・ロワイヤル)となった。
⑤ ミシシッピ会社の株が高騰し株価バブルが発生
⑥ ミシシッピ会社の金鉱開発がデタラメである事が発覚し株価が暴落
⑦ 人々が銀行券(紙幣)を金に兌換しようとして銀行に殺到
⑧ バンク・ロワイヤルが破綻
⑨ 深刻は恐慌が発生し、デフレが深刻化
⑩ ブルボン朝は戦争で経済を刺激するも、財政赤字が拡大する

何だか、現在のアメリカの様な状況に当時のフランスは陥っていた訳です。



この時期の地球は現在よりも寒冷でした。(小氷期)



1645年から1715年の間、太陽活動が低下し黒点数が減少した時期があります。この時期を「マウンダー極小期」と言います。

マウンダー極小期の前後、14世紀半ばから19世紀初頭は後気温の低い傾向は続き、1814年まではテムズ河が度々氷結していますし1780年はニューヨーク湾が凍結しマンハッタンからスタッテン・アイランドまで歩いて渡れました。

作物の不作からヨーロッパでも日本でも飢饉が発生したりしています。

⑫ 財政破綻によりインフレが発生
⑬ 小麦の不作により食料を中心に高インフレ化
⑭ 「パンをくれ」暴動に発展
⑮ 1789年、フランス革命が勃発

■ 財政均衡に成功した徳川幕府 ■

同時期、徳川幕府も5代将軍綱吉(お犬様)の浪費により財政難に陥ります。元禄時代に増加した金銀貨によりインフレ(バブル)も発生していました。

① 新井白石が倹約を奨励(緊縮財政)
② 通貨量を2%削減
  (改鋳により金銀の含有量を増やす・・・通貨価値が高まり物価が下がる)
③ 米価が下落し始め、デフレに転じる
④ 吉宗は1736年、改鋳により量的緩和に転じる
  (金銀の含有量を減らし通貨価値を下げ、物価を上昇させる)
⑤ 1758年には幕府の財政が黒字に転じる

徳川幕府は適切なリフレ政策と、インフレ対策を繰り返す事で、幕末まで政権を維持していきます。

■ 徳川幕府はインフレによって滅亡した ■

比較的安定したいた徳川幕府の財政政策も、幕末期に破綻をきたします。

① 開国によって金銀が海外に流出
② 金銀不足により、改鋳を行い貨幣の金銀の含有量が下がる
③ 貨幣の価値が下がり物価が高騰する
④ インフレが発生する
⑤ 下級武士の生活か逼迫する
⑥ 食い詰めた武士が幕府を倒す

昨年の竜馬伝を見ても、「倒幕は志高き下級武士達の偉業」と歴史では教わりますが、実際にはインフレで失業したり、食い詰めた武士達の反乱によって徳川幕府は滅んだのです。

■ 裏で糸を引くもの・・ ■

フランス革命でジャコバン派を支援していたのは、ロスチャイルド家だと言われています。

倒幕の立役者、坂本竜馬のスポンサーであるグラバーは東インド会社の出身です。東インド会社はロスチャイルド家の会社です。

ロスチャイルドはフランス革命でも明治維新でも、インフレを発生させて革命の原動力を作ると同時に、思想的な扇動者を養成して革命の引き金を引かせます。

革命によって権力は王族から市民に移ったように見えますが、金融や経済の支配権はロスチャイルドが中央銀行制によって掌握します。

■ 中東や世界で起きている事 ■

ロスチャイルド=イルミナティー一派は手を変え品を変え、世界に揺さぶるを賭けますが、その手法は実は一貫しています。

① バブルの発生
② バブルの崩壊
③ 財政赤字の拡大
④ 財政破綻によるインフレの発生
⑤ 市民暴動(革命)による政権の崩壊

全ては計画されているのです。


民主主義の幻想に踊る世界・・・エジプトの政変

2011-02-12 17:14:00 | 時事/金融危機


■ エジプトの英雄、ナセル ■

エジプトの初代大統領はナセルです。
私が物心付いた頃は、既にサダト大統領でしたから、ナセルは教科書でのみ知る存在でした。

<Asahi中東マガジンから引用>

http://astand.asahi.com/magazine/middleeast/editor/2010092900002.html


(前略)

ナセルは1952年にエジプトの自由将校団を率いて、王政を打倒した。56年に大統領となると、英仏が支配してたスエズ運河の国有化を宣言し、世界を驚かせた。まさにアラブの英雄だった。

 スエズ運河国有化などの演説は演説集として、いまも市販されている。ナセルは演説の名手であった。時に重々しく、時に若々しく高い声で、聴衆に訴えかける。時折、「偉大なるエジプトの民衆よ」という呼びかけを入れながら、たたみかける。アラブの指導者の中でも、ナセルの演説の上手さは群を抜いていた。

 新聞のナセル特集を読む。「エジプトで個人独裁のシステムをつくったのはナセルだった。そのために、40年後のいまも、独裁が続いている」と、野党の指導者が語っている。ナセルの時代が秘密警察と政治弾圧の時代であることはいまではよく知られている。

 いまでも人々の間にナセルの人気は高い。いまでは政治的にも陰が薄いエジプトだが、ナセルの時代は、確かにエジプトが輝いていた時代であった。そして、ナセルが死んだとき、わずか52歳だった。現在、80歳を超える大統領が君臨するエジプトにとって、ナセル時代とは、恐れを知らぬ若い時代だったのである。(川上泰徳)

<引用終わり>

スエズ運河をイギリスとフランスから取り上げたナセルはエジプトの英雄ですが、大統領の独裁体制を作り上げたのもナセルでした。

■ ムバラク政権・親ソビエトからアメリカの傀儡へ ■

サダトの暗殺後、大統領に納まったムバラクに関しては、私は最近まで「親ソビエト」派の大統領という誤った認識を持っていました。1978年まで現在の国民民主党は「アラブ社会主義同盟」と名乗っていましたので、エジプトは反米国家だと思っていました。

事実、ソビエト崩壊まではムバラクは「親ソ」路線だったようですが、その後「親米」路線に変更し、現在は「アメリカの傀儡政権」とまで言われるようになります。

第四次中東戦争まではイスラエルと戦争していたエジプトですが、最近はすっかりイスラエルにコントロールされていたようです。

■ インフレこそが政変の引き金 ■

ニュースなどでは「ムバラク政権の30年間の独裁」と報じていますが、エジプトの独裁政権はナセル以来の伝統で、実に55年間も独裁体制が続いていました。

ナセルやサダトの時代は、イスラエルに対抗する中東の大国というイメージでしたが、キャンプデービットでイスラエルと和解した後は、アラブの裏切り者の地位に甘んじていました。観光くらいしか産業が無いエジプトを、アメリカは資金援助で懐柔したのでしょう。

若者人口が増加して失業率が増加するなど、決して豊かで無いエジプトですが、ムスリムど同胞団も穏健で、たまに過激分子が観光地でテロを敢行するくらいでした。

今回のエジプトの政変は、FacebookやTwitterがもたらしたものという専らの報道ですが、私はインフレこそがその原因だと思っています。FacebookやTwitterは、デモを組織する為のツールであって、暴動のエネルギーは生活苦がもたらしたものです。

インフレの原因を撒き散らしたのはFRB。暴動を煽ったのはFacebookやTwitterというアメリカ発のツールです。これにwikileaksが加わり、あたかもデモが自然発生した様な演出をしています。

Twitterは先のイランの国内デモでも活躍しており、アメリカの強力政治工作ツールとなっています。

■ ムバラクを見限ったオバマと、パーレビ国王を切り棄てたカーター ■

今回のエジプトの政変は、カーター政権下のイスラム革命に似ています。

イランのパーレビ国王は親米政権でしたが、国内の不満の高まりによりフランスに亡命していたホメイニ氏が帰国し、中東で初めてのイスラム革命が成功します。

アメリカはイラン大使館を占拠されるなど、イスラム革命に手を焼きますが、カーターは強硬な手段に訴える事無く、結果的にイスラム革命を後押しします。

今回のオバマも、アメリカがずっと支援し続けてきたムバラク政権から梯子を外す格好で、政変を後押ししています。

「民主党政権は民主主義を尊重する」という姿勢が、中東のイスラム化を促進してきました。

■ 政治的混迷と地域不安を増長するエジプトの政変 ■

テレビや新聞はムバラクの失脚を「民主主義の勝利」と持ち上げますが、エジプトに待ち受けるのは政治的混乱と、経済的困窮です。

人々の不安は高まり、アメリカへの不満が反イスラエルの形を取って噴出します。
エジプトはイスラエルと国境を接しています。


エジプトに支援を受けるパレスチナのハマスも、イスラエルに対して強硬姿勢を取るでしょう。

一方、ヨルダンではエジプトと同様の政変が起こる可能性があります。革命の火はサウジアラビアやイエメンに飛び火する勢いです。

■ ロスチャイルドへの嫌がらせ? ■

石油利権を牛耳るロックフフェラーにとって、中東の緊張の高まりは原油高騰に直結し、彼らの懐を潤します。

一方、第二次世界大戦でイギリスに戦費を貸す事の見返りにイスラエルを建国させてロスチャイルドにとって、エジプトやその他の中東諸国の政変は、喜ばしいものでは無いでしょう。

もっともそれとて、表面上の対立であって、世界の多極化という大きな変革への材料として使われているだけなのかも知れません。

■ 独裁は大国の干渉への防波堤 ■

マスメディアのプロパガンダにどっぷり漬かった私達は「独裁=悪」と思い込んでいます。
しかし、キューバーにしろ中国にしろ「独裁」が国を守っている一面は無視できません。

独裁者の「悪事」ばかりに注目が集まりますが、彼らが如何に国家と国民を守ってきたかという事に注目する者は少数です。

Wikileaksがリークするのは、独裁者の一面に過ぎない事に気をつけるべきです。

FRBは潰れない・・・一人別のルールでプレイするFRB

2011-02-11 23:09:00 | 時事/金融危機
イラストシリーズの第五弾です。



■ FRBは債務超過にならない ■

世界がラグビーのルールで試合をしている時に、一人だけボールを前に投げた選手が現れました。しかし、ホイッスルは鳴りません・・・。
良く見ると、彼はヘルメットを被り、プロテクターを身にまとっています。

彼の名はFRB。彼だけは別のルール試合をしていたのです・・・。

あまり注目されない記事ですが、重大は記事がロイターに載っていました。

<ロイターより引用>
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20110124-00000580-reu-bus_all

FRB、会計方針変更で破綻の可能性が遠のく
1月24日(月)15時35分配信 ロイター


1月21日、FRBは、大きな意味合いを持ちながらもほとんど知られていない会計方針の変更を実施。写真はワシントンにあるFRBの建物。2009年12月撮影(2011年 ロイター/Hyungwon Kang)

 変更によってFRBが破産状態に陥る可能性は大幅に後退したが、保有する巨額の債券について損失を被るのではないかとの懸念が、FRBによる方針変更の引き金になった可能性がある。

 変更は、1月6日のバランスシートに関するFRB週間報告の中に専門用語を使ってひっそりと盛り込まれ、金融メディアが報じることもなかった。

 しかし新ルールは、徐々に市場アナリストの関心を引き始めている。多くのアナリストはまず、FRBが独自の指針を設定できることに驚きながらも、世界で最も強力な中央銀行が、米財務省などに資金供与を求めなければならない事態に陥るという、ごくわずかながらも危険なリスクが回避できる可能性が強まったことに安どしている。

 ストーン・アンド・マッカーシー(ニュージャージー州)のマネジングディレクター、レイモンド・ストーン氏は「FRBが破産する可能性はあるか。この質問に対する答えは『イエス』だったが、今は『ノー』だ」と指摘。「会計方法の変更で、FRBは資本を毀損(きそん)することなく、大幅な損失を計上することができるようになるだろう」と述べた。

 変更により、FRBは、FRB制度を構成するさまざまな地区連銀による損失を資本に対する損失としてではなく、財務省に対する負債として表示することが可能となる。またその後、FRBのオペレーションから得た将来的な利益を負債と相殺することになる。

(後略)

<引用終わり>

① FRBは損失が発生しても、FRBの資本は毀損しない
② FRBは無限に米国債を購入しても債務超過に陥らない

この法改正により、ロン・ポールらの茶会派がFRBを監査しても、FRBは債務超過と評価される心配は無くなりました。

尤も、FRBが無限に米国債を購入すれば、市場での米国債は暴落し、プリンティングマネーと化したドルの信用は失墜します。(既にそうなっていますが・・・)

■ フレディーマックとファニーメイが潰される?! ■

先週、ガイトナー財務長官が気になる発言をしています。

<ブルームバーグより引用>
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=ap.mt5X95sFU


ファニーメイなど住宅金融2社の廃止も選択肢-米政府改革案


 2月9日(ブルームバーグ):ガイトナー米財務長官は住宅金融への政府の関与を減らし、政府支援機関(GSE)であるファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の役割を縮小する3つの選択肢を議会に提案する方針だ。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

  オバマ政権の当局者1人が8日、改革案が公表されていないことを理由に匿名で語ったところでは、ガイトナー財務長官は11日にも住宅金融の改革案を公表する見通し。オバマ大統領は8日、財務長官や他の補佐官らとホワイトハウスで改革案について最終的な詰めの協議を行った。

  改革案の内容に詳しい関係者2人によれば、3つの案には、政府系住宅金融2社と両社が政府の支援を受けて提供する住宅ローン保証を廃止する選択肢も含まれる。ただ、別の選択肢は現行制度により忠実な提案となるもようだ。

  政府が今回公表する報告書は、法案ではなく、改革の選択肢を提示することによって、住宅金融市場に民間資本を呼び戻し、住宅ローン担保証券(MBS)の保証で政府が果たす役割を縮小する道筋を示す狙いがある。

  政府当局者と他の2人の関係者によれば、民間資本の参入を促す手段として、住宅金融2社が請求する保険料の引き上げや、1兆5000億ドル(約123兆6000億円)近くに膨らむ両社の資産ポートフォリオの中の住宅ローンを減らすことを求める案も提示される見込み。また、GSEが保証できるローンの上限引き下げが提案される可能性もある。

  米政府は昨年7月に成立した米金融規制改革法(ドッド・フランク法)に基づき、ファニーメイとフレディマックへの納税者による支援を終わらせる改革案を議会に提出する必要がある。政府は2008年9月に両社を管理下に置き、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連する損失を埋め合わせるため、1500億ドル(約12兆3500億円)余りの公的資金の投入を余儀なくされた。

<引用終わり>

これは法案では無く、改革案の提示なので、フレディーマックとファニーメイが即刻廃止される訳ではありません。

尤も、FRBはフレディーマックとファニーメイが破綻しても、所有するMBSによって発生する損失を、を政府に対する貸付として処理すれば、FRBが破綻する事はありません。

フレディーマックとファニーメイを潰せる状況は着々と準備されているのです。

この発言を受けてアメリカではMBSが値上がったようですが、私が定点観測に利用しているゴールドマンサックスの「妖精物語」という、ふざけた名前の投資信託では、運用先が国債からMBSに大きくシフトしています。

又、米政府とFRB、そしてゴールドマンがつるんでMBSの価格を吊り上げているのでしょう。ゴールドマンはその裏で、再びMBSの空売りを仕掛けていそうです。次のMBS危機はフレディーマックとファニーメイの命日になるかもしれません。

<くじけない ゴールドマン>
http://d.hatena.ne.jp/tennis575/20110207/1297090592

ゴールドマンは80億ドルのMBSを昨年12月から買い込んだようです。インサイダー企業ゴールドマンは米政権の政策を全て知って行動している事は明確です。

「妖精物語」の運用内容の月次レポートがネットに公開されるのは1ヶ月遅れですが、それでも世間の動きを2ヶ月先取りしています。運用リストからGSE各社の名前が消える時、MBS危機が訪れるのでしょう。

2010年5月 「妖精物語」月次レポート


2010年10月 「妖精物語」月次レポート


2010年12月 「妖精物語」月次レポート


昨年の10月以前に、既に国債からモゲージ債に投資先を変更している事が分かります。


■ MBSとそのCDSは危機の中心であり続ける ■

日本では多くの金融機関が大量のMBSとそのCDSを保有しています。

「人力でGO」では昨年3月に「フレディーマックとファニーメイ・・・危機の中心」を載せています。
http://green.ap.teacup.com/applet/pekepon/20100326/archive

状況は当時も今も何ら変わっていません。
三菱東京UFJ銀行や、日本生命、農林中金は兆円単位のそれらの資産を保有しており、MBSの崩壊はこれらの企業の破綻を誘発します。

MBSのCDSを日本の地方自治体や信用金庫は大量に保有しています。

■ アメリカがルール ■

アメリカは試合が不利になると、選手が勝手にルールを変更してしまうチームです。

米国ではMBSのリスクは金融機関からFRBや連邦政府に付け替えられています。
FRBは損失を政府に付け替えています。

日本では危機は塩漬けにされたまま、崩壊の時を待っています。

・・・怖い、怖い・・・。