習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ソウルキッチン』

2011-11-10 23:44:03 | 映画
 この騒々しくて、めちゃくちゃな話をあの端正で静かな傑作『そして、私たちは愛に帰る』のファティ・アキン監督が作ったということに驚く。倉庫かなんかを改造した大衆レストランを舞台にして、そこに集まってくる人々とオーナー、スタッフとのやりとりを描くハートフル・コメディーのスタイルなのだが、よくあるパターンにはならない。  ソウルキッチンのオーナーである本編の主人公ジノス(アダム・ボウスドウコス)は仕事 . . . 本文を読む
コメント

津村記久子『まともな家の子供はいない』

2011-11-10 23:03:14 | 演劇
とてもいやな話だ。主人公は中3の女の子。家の中には全く自分の居場所がない。こんな状況で、どんなふうにして毎日を生きていけばいいのか。家だけではない。学校にも、塾にも、どこにも自分の居場所なんかない。  それでもまだ、学校があるときはましだ。行かなければならないから、仕方なく行く。楽しくはないが、それで、時間が潰れる。塾も同じだ。学校が終われば夜は塾に行かなければならない。後は、帰って寝るだけだ . . . 本文を読む
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