まずは、『絶対の村上くん』から。これは『絶対の村上ちゃん』と同じ台本を使い、こちらは男性2人に演じさせる。演出も変わらないのだが、なぜかこちらのほうが、幾分重い作品になってしまう。ラストの自殺も女の子版よりも明確なものになった。村上ちゃんはあんなにも軽やかだったのに、村上くんはこんなにも重い。
感覚的な作品になった『村上ちゃん』に対して、理論的な『村上くん』は、悲劇に向かって一直線に突き進む . . . 本文を読む
23年間に及ぶ23回の7月15日という1点のみを切り取ってつないで見せていく。1年の中のたった1日だけから、彼らの20代から30代の日々を綴る。ひとつのエピソードが、ほんの数十分くらいの出来事の部分もある。2人きりで旅に出て過ごすという特別な1日もあるけど、反対に、会うこともなく、別々の場所で過ごした年のエピソードもある。要するにいろんなことがある、ということだ。しかも、それが、同じ7月15日の . . . 本文を読む
この手のプログラムピクチャーは、かつて日本では果てしなく量産され消費されていた。映画は2週間でどんどん番組を変え、2本立上映される。これは昔なら(僕のよく知っている70年代のことだが)その2本立映画の添え物として作られたような作品なのだ。
売れない芸人(香取慎吾)と犬(もちろん、まさお)の友情を描く映画なんて、今時の映画とはとても思えない企画だ。しかも、それを高橋泉脚本、大谷健太郎監督で作る . . . 本文を読む