『大竹野正典劇集成Ⅰ』が完成した。出来あがった本を手にして、なんだか感慨無量である。こんな立派な本を出版してもらえて、大竹野本人は草葉の陰で驚いていることだろう。出来ることなら、本人に見せてあげたい。でも、そんなことは不可能だし、もし、本人が生きていたなら、こんな本は作られることはなかった。
不思議なものだ。この本を読んで、何が凄いかというと、まず、これは戯曲のはずなのに、とても読みやすいのだ . . . 本文を読む
今回の短編集の総合タイトルとなった『蛇口からアイスクリーム』というシュールなイメージがとてもいい。今のサリngさんの気分をとてもよく伝える。ミスマッチをねらったわけではない。とても自然な取り合わせだ。でも、この違和感。楽しそうで、不気味。甘くてドロドロしたアイスクリームを手でつかむような感触。ねばついて、気持ちはよくない。この作品集をとてもよく象徴している。本公演のベースとなる『絶対の村上ちゃん . . . 本文を読む
もう一度、最初からやり直そう。出会ったときから始めて、恋をしよう。事故により2人の記憶をすべて失った妻を取り戻すために、彼は2人で作ってきた記憶を胸に抱いたまま、何も覚えていない彼女と、出会いから始めることにする。
こういう地味な映画がちゃんと劇場公開されるって、凄い。でも、公開から数週間で消えてしまう。もうどこでも、上映していない。けっこういい映画なのに、もったいないなぁ、と思う。実は数週 . . . 本文を読む
『ファミリーツリー』に続いて、これもまたハワイ映画である。今回はサーフィンの話。でも、これはなんとも強烈だ。しかも、実話。サメに片腕を食いちぎられた少女の話である。それでも彼女は海を怖がることなく、片手でサーフィンを続ける。サーファーであることが、自分のアイデンティティーで、一切そこにはつけ入る余地はない。もうサーフィンなんて無理かも、とか悩んだりはしない。腕が治ったら(傷口が、である。食い千切 . . . 本文を読む