この手の映画は枚挙に暇がない。犬猫を扱うハートウォーミングは安い製作費で簡単に作れてそれなりのニーズがあるから、安直に作り続けられる。そんな中で、この作品はちょっと違う。萩上直子監督作品だから当然だろうが、一見他の安直映画と識別がつかないくらいに、パッケージングは、安っぽい。でも、それだって監督のねらいなのかもしれない。これはたいした映画なんかじゃない、というメッセージだ。だが、この4話からなる . . . 本文を読む
著者の12年ぶりとなる書き下ろし小説、らしい。それが彼女にとってどれほどのことなのかは僕にはよくわからないけど、このとてもささやかでさびしい小説が、小川洋子さんにとってとても大切なものだということはよくわかる。
次から次へとすばらしい作品を連打している彼女が、一番書きたかったこと。それがこれなのかもしれない。あまりに自分の趣味で、他人を一切寄せ付けない。それはこの小説のことだけではではなく、 . . . 本文を読む