習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

ガバメンツ『ライト家族』

2013-06-11 22:25:33 | 演劇
 タイトル通りとてもライトな芝居で、1時間50分があっという間の出来事だった。舞台美術は最小限に抑えて、それより舞台上で役者たちに絵を描かせ、それを小道具として使うなんていう、とても面白い試みをしている。そんな遊び心が、とてもいい方向に機能している。ガバメンツの芝居を見るのは、これが初めてなのだが、この軽いテイストは好き。無理なく話を流していくのもいい。コメディーなんだが、無理に笑わせない。それよ . . . 本文を読む
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演劇集団☆邂逅『紅の記憶』

2013-06-11 22:21:54 | 演劇
華やかな衣装に身を纏った女性たちが歌って踊って、とても楽しそうだ。なんとも邂逅らしいお芝居で安心して見ていられる。だが、そこまでだ。 童話の国のお話で、そこでは王子様がいなくなって秩序が乱れてしまったらしい。記憶をなくした男が、目覚めると、「あなたは王子様だ」と言われ、物語の中のお姫様たち(シンデレラ、白雪姫、いばら姫)を助けて欲しいと言われる。何が何だかわからないけど、仕方ないし、悪い気分 . . . 本文を読む
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スイス銀行『暮らしとゾンビ』

2013-06-11 22:20:16 | 演劇
 このタイトルに心魅かれた。2つの単語の組み合わせとしてなんだかとんでもなく異質で、でも、その兼ね合いになんだか心そそられる。このあまりにもの取り合わせの妙。日常と非日常が、なぜかこんなにも自然に並んでいる姿が美しいハーモニーを奏でることの不思議。これはとても静かで穏やかなゾンビと共に暮らす人々の時間が描かれる作品に違いないと、勝手に解釈して心ときめかせた。  しかし、実際に目にしたものは、そう . . . 本文を読む
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ブルーシャトルプロュース『ゼロ・ファイター』

2013-06-11 22:18:05 | 演劇
 今年、1月に初演された『ゼロ』をリニューアルしての再演である。上演時間が20分ほど短くなり、とてもすっきりした作品になった。ストーリーが整理され、わかりやすくなり、よりスピーディに話も展開していく。すさまじい勢いで死に挑む男たちの生きざまが感動的に描かれた『ゼロ』をリニューアルさせる過程で大塚さんが大事にしたことは、描くべきことをよりシンプルにする、ということだ。これは危険な行為でもある。   . . . 本文を読む
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江國香織『ちょうちんそで』

2013-06-11 22:15:02 | その他
54歳の女性が自ら高齢者用住宅(それって昔の老人ホームだ!)に入って、生活する。彼女は ここにはいない架空の妹といつも話している。でも、ボケているわけではないらしい。他人が来たら、妹はそこにいても影を潜める。ただもう未来に向けて生きる希望がない。だから、老人が入るようなこの場所で暮らしているのだ。 彼女をめぐるホームの住人たち。彼女の家族。今では行方不明の妹。(カナダで暮らす彼女の話も挟まれ . . . 本文を読む
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