習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『二流小説家 シリアリスト』

2013-06-25 22:41:16 | 映画
 思いがけない映画に出会うと、なんだか得した気分になる。正直言うとまるで期待していなかった。海外ミステリーの翻案映画化は、設定の変更がうまくいかなければ、つまらなくなる。しかも、うまくいっても、それが作品の本質ではない。どうしても嘘臭くなる場合が多い。よく出来ている小説である場合には余計にそうなる。リアリティーが損なわれるのだ。  この小説もかなり嘘臭い。だが、お話の面白さと、役者たちの熱演から . . . 本文を読む
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劇団遊人『She Is X X six』

2013-06-25 22:34:48 | 演劇
 なまいきなこ作、演出、主演の一人芝居。30分の短編だ。ひとりの女の子の日々を描く。小学1年生からスタートして6年生まで。両親の離婚、友人(?)の自殺。今日の献立。大きなことから小さなことまで、さいころが決める。偶数、奇数で話の展開が変わる。  だが、この芝居が面白いのは、そんな仕掛けではない。10分の休憩を経て、同じ芝居が役者を変えて演じられる。あべ川つまるヴァージョンだ。ほんの10分前に見た . . . 本文を読む
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タカハ劇団『ブスサーカス』

2013-06-25 22:30:00 | 演劇
 なんて大胆なタイトルだろうか。雪降る中、ある場所に閉じ込められた女たち。彼女たちはここである男がやってくるのを待つ。彼は5人(彼女たちの世話をする女も含めると6人になる)の愛した男だ。彼女たちは彼のためにとんでもないことを仕出かした。もう後戻りはできない。だが、いつまで待っても彼は来ない。じりじり追い詰められて行く。だんだん疑心暗鬼の状態となる。  彼が本当に愛したのは、この5人の中の誰なのか . . . 本文を読む
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Gフォレスタ『殺意と憧れのあいだ』

2013-06-25 22:27:52 | 演劇
 1920年代を舞台にしたミステリー。丸尾さんお得意のエンタメ芝居なのだが、実はそれだけではない。これは久々に震災を扱った作品なのである。阪神大震災の直後真正面から自分たちの問題として震災を取り上げた彼が今再び震災に挑む。しかも、今回はミステリーという今のGフォレスタ定番スタイルの中で、エンタメ作品として提示するのだ。今の自分のフィールドでの様々なアプローチのもと、それを見せようとする。  19 . . . 本文を読む
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劇団きづがわ『石流れ木の葉沈むとも』

2013-06-25 22:23:06 | 演劇
 きづがわ創立50周年記念公演の第二弾。とても力のこもった作品だ。ダイキンによる大量解雇を扱い今彼らが置かれている現状をドキュメントする。ノンフィクションであるということより、リアルタイムの現在進行形の実情を丁寧に伝えることを第一とする。これは他人事ではなく、我々の置かれた問題なのだ。ダイキンだけでなく、こういう理不尽が日本中でまかり通っている。弱者は泣き寝入りするしかない。だが、ただ言われるまま . . . 本文を読む
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