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映画・演劇のレビュー

ケムリノケムリ『女かくし』

2013-06-12 21:16:16 | 演劇
 「劇団パンと魚の奇跡」の保木本佳子さんが新しく作った劇団。「劇団パンと魚の奇跡」の3人組による心地よい世界から飛び出して、ひとり立ちするって勇気のいることだ。だが、それはきっと大切なことだと思う。いつまでも、幸せない時間は続かない。というか、幸せな時間を大切にするためにも前進しなくてはならない。そんな覚悟で彼女は第一歩を踏み出した。  新作でデビューするのではなく、10年前に書いた作品を上演す . . . 本文を読む
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Plant M『七面鳥は大雨に溺れる』

2013-06-12 21:09:06 | 演劇
 こういうとことん観念的な芝居を、とても柔らかなタッチで樋口さんが綴れるようになったということが、とてもうれしい。わざと難解にする必要はない。でも、わかりやすく作ることもない。無理せず自然体でこの感覚的なドラマを組み立てる。感じたまま、そのまんま提示するのだ。理屈よりも感性を大切にするって、本当はとても難しいことなのだが、それをどちらかというと理屈の人である樋口さんが軽々と乗り越えていく。  妊 . . . 本文を読む
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よしもとばなな『さきちゃんたちの夜』

2013-06-12 20:46:47 | その他
 5つのお話。5人のさきちゃん(実質は6人。最後のタイトルになっている作品はタイトル通り2人のさきちゃんが登場する)を主人公にした短編連作。相変わらずよしもとばななは小学5年レベルの語彙ですばらしい小説を書く。  いつものように切ない話だった。(「切ない」もばななさんが大好きな言葉。小説の中で主人公たちは何度となく切なくなる)死によって損なわれた関係性をなんとかして修復しようとする人たちのその後 . . . 本文を読む
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『俺はまだ本気出してないだけ』

2013-06-12 20:45:33 | 映画
 福田雄一監督は絶好調だ。『コドモ警察』に続いてもう新作が登場した。三木聡に迫る勢いだ。(別に三木聡が続々と新作を発表しているわけではないけど、どんどん自分の作品を自分のペース作っているということを、言いたかったのでもなく、2人のテイストがよく似ているから、なんとなく、そんなふうに言ってしまっただけ)  でも、福田監督はいつもねらいが空回りする。だから、笑えない。今回もそうだ。別に受けをねらって . . . 本文を読む
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ブルーシャトルプロュース『8月のオリオン』

2013-06-12 20:44:44 | 演劇
 ここまでくるともうただのファンタジーでしかない。しかし、そのファンタジーをいかにリアルなものとして見せるのかが大塚さんの腕の見せ所であり、『ゼロ・ファイター』以上にこれは作者の手腕が問われる作品だ。題材としては絶対に大塚さん向けだと思った。このスピンオフのほうが、本編である『ゼロ・ファイター』よりもすごいものになるではないか、と期待して見たのだが、残念ながら難しかったようだ。  あまりにドラマ . . . 本文を読む
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