石井隆の新作だ。昨年、『フィギュアなあなた』と2本撮りした2本目の作品。2本ともよくあるロマンポルノ作品の定番の内容で、それを敢えて、彼が手掛けることに何の意味があるのだろうか、そのことも気になった。女子高生を監禁して調教する、なんていう散々ポルノ映画が遣り尽くした内容である。しかも、それを15年後、医者になった主人公のお話と同時進行で見せていくが、昼間は優しい医者で、夜はSM嬢なんていう、これ . . . 本文を読む
重松清の小説を舞台化した。リタイアした60代の男たちが、毎日を持て余す日々をリアルに描けたならおもしろいのだが、まるで絵空事のようで、納得いかない。話の導入部があまりに安易だ。主人公の山崎さんが戸惑いながら生活する日々をもっとじっくり見せなくてはその先が切実にはならない。なんだか段取り芝居を見せられているような気分になる。あまりに簡単に「定年男子会」のメンバーになり、そこで生きがいのようなものを . . . 本文を読む