伊坂幸太郎の原作小説の映画化には、まず、はずれがない。話自体が面白いのだから、そこをちゃんと再現したなら、出来のいい映画になるのは必然だ。
だが、それって、実はかなり難しいことなのだ、ということがこの映画を見てよくわかった。今までこんなにも面白かったのは、当たり前の話なのだが中村義洋監督の力だったのである。そんなことに改めて気づかされる。
今までの映画化作品の歴史を振り返ればいい。これが . . . 本文を読む
先日DVDで劇場版第1作を見て、感心した。そこで、今公開中の第2作の方は劇場で観ることにした。今回も2時間13分と長い。この長さがこの作品の魅力のはずだった。1作目は本当によく出来ていた。それだけにパワーアップした本作に期待をしてしまったのが間違いだった。
残念である。でも、こうして失敗するのが、世の中の常だ。仕方ない。まず、一番の問題は、同じ切り口ではただの二番煎じにしかならない、というこ . . . 本文を読む
今回の朝井リョウは帯にもあるようにダークだ。3人の女のお話。3話からなる連作。話はちゃんとつながっていく。1話目のお話の脇役が、次の話の主人公になるというよくあるパターンなのだが、その選には、結構微妙な人物が選ばれる。いずれも、自分を信じきれなくて、何とかしたいと、もがき苦しむ。読んでいて暗い気分にさせられるのだが、止まらない。落とし所も、かなり微妙なラインだ。
もっと上手く生きられたのでは . . . 本文を読む