習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

椰月美智子『伶也と』

2015-01-29 20:28:43 | その他
涙が止まらなかった。こんなにも悲惨な最期なのに、それでも幸せだと感じる直子は、伶也のことがそんなにも好きだったのだ。ただそれだけのために人生すら投げ出す。というか、彼に捧げて悔いはない。 これをラブストーリーと呼ぶにはあまりに切なすぎて痛ましい。これを、30代の女性が年下のロックバンドのヴォーカリストに嵌まって、身を持ち崩していく話、だなんて割り切れたならバカな女のお話で済ませれる。手の届かな . . . 本文を読む
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『さよなら歌舞伎町』

2015-01-29 20:19:49 | 映画
久々に「これぞ広木隆一監督作品!」と快哉を叫びたくなるほど、心地いい映画だった。2時間15分もあるのに、まるで時間を感じさせない。でも、これは「廣木」ではなく昔のポルノ映画を撮っていた時代の「広木」監督のテイストなのだ。1時間ほどのポルノ映画を軽々としたタッチで撮る。別段たいした映画ではないけど、でも、気持ちのいい作品。 いつのまにか、巨匠の仲間入りして、大作映画や感動作品、文芸物から、少女マン . . . 本文を読む
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『Memo』

2015-01-29 20:18:40 | 映画
個性派俳優の佐藤二朗(こういう言い方しか出来ないなぁ)が、監督した作品。第1回監督作品であり、その後、まだ次回の監督業はしていない。何よりもまず、これは彼が、どうしても、これだけは撮りたかった、そんな作品なのだろう。そのとてもわがままな作品が、ちゃんと1本の映画として完成して公開されたって、凄い。 彼らしい作品になっている。自分の趣味を押しつけるのではなく、さりげなく提示した。そんな控え目さがい . . . 本文を読む
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原田マハ『太陽の棘』

2015-01-29 20:13:35 | その他
戦後すぐの沖縄。もちろん、アメリカの統治下にある。そこにアメリカからひとりのまだ若い男がやってくる。アメリカの基地勤務を命じられた精神科医だ。戦後の混乱期の沖縄という特殊な舞台で、さらに特別な場所、ニシムイ美術村という画家たちが集う場所。そこでアメリカ人と日本人が、絵画を通して心を通い合わせていく。 政治的な問題をおざなりにはできないけど、それよりもまず、ここには生きていくうえで何よりも大事で必 . . . 本文を読む
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