習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

近藤史恵『私の命はあなたの命よりも軽い』

2015-06-09 22:07:26 | その他
このタイトルは怖い。小説はストレートにこのタイトルのままのことを核心に置いて、そこに向かって進んでいく。ミステリタッチの作品で、なんでもない日常の描写の積み重ねなのに、それがこんなに心をざわめかせ、不安にさせていく。お話はやがて、とんでもないところへと、向かう。なんとなく、違和感を感じる。でも、そんなのは自分の勘違いでしかないのかもしれないと、思おうとする。そうじゃなくては、耐えがたい。妊娠して精 . . . 本文を読む
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劇団大阪『紙屋悦子の青春』

2015-06-09 22:06:43 | 演劇
きっと、武藤さんはずっと、この作品を作りたかったんだろうな、と。そんな彼の熱い想いが確かに伝わってくる作品だった。昨年の『なすの庭、夏』を経て、自信を持って放つ作品は実に端正な青春物語。 オリジナルの時空劇場作品は、僕が見た最初の松田正隆作品で、内田淳子、金替康博、亀岡寿行による傑作。(コンブリ団のはしぐちしんも出ていた。橋口さんを初めて見たのも、この作品)映画にもなった。黒木和雄監督作品。原 . . . 本文を読む
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レトルト内閣『文明ノ獣』

2015-06-09 22:05:05 | 演劇
レトルト史上最高傑作。(ただし、僕の見た範囲内で、だが) 三名刺繍さんは今まで、ここまでストーリーに重点を置いたお話を作ったことはなかったはずだ。だが、今回、数奇な運命に弄ばれる双子の兄妹のドラマを、50年に及ぶ歴史のうねりの中で描いた。今回彼女はこの作品をまず、物語として立ち上げる。 お話は1984年からスタートする。母と娘のふたり暮らし。なぜ、自分には母親以外の身寄りはないのか。親戚や、ま . . . 本文を読む
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『Zアイランド』

2015-06-09 22:03:19 | 映画
品川ヒロシ監督の第4作。彼の映画は芸人の余芸ではない。エンタメの衣を纏いつつも、確かな作家としてのスタンスを持つ。北野武とは別の意味で、新しいタイプの芸人映画作家の誕生だ、と思わせる。そんな彼のこの新作は、なんとゾンビである。日本のゾンビ映画はつまらない、という通説を覆すための大胆な挑戦である。 それにしても、このリアルなゾンビたち。今までの映画はそこをおざなりにしてきた。ゾンビなんか、その他 . . . 本文を読む
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TAMHIM『マハズレ』『果ては戦友になる』『地区Kのこと』

2015-06-09 22:02:15 | 演劇
この週末、5本の芝居を見た。そのいずれもがとても刺激的で当然、圧倒的に面白く、こんなに芝居が面白かったのか、と思わせるものばかりで、今年最高の週末となった。 その5本の1本目がこのプロジェクトだ。短編2本と中編1本の3作品を一気に見せられる。2時間20分。怒濤の連作だ。6人の作家たちが集まり、共同制作する。競い合うのではなく、刺激を与えあい、思いもしない世界を提示する。お互いの可能性を助長させ . . . 本文を読む
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クロムモリブデン『七人のふたり』

2015-06-09 22:01:02 | 演劇
このタイトルおかしいやろ、と誰もがすぐに気がつく。こんなにもわかりやすいクロムはもしかしたら初めてではないか。これはきっとクロムの入門書のような芝居に違いない、なんて思いながら、見始めた。でも、僕に言わせれば今さら入門、って、って感じだ。自慢にも何にもならないけど、もう25年くらいクロムの芝居をずっと見ている。思い起こせば、91年頃、今は亡きスペースゼロで『キエテナクナレ』を見たときから、ほぼ全作 . . . 本文を読む
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