この手の青春映画は食傷気味で、もう見る前からお腹いっぱい。しかも、映画本編の前の予告編では、来年公開の漫画原作の同じような学園物の青春映画が連発。そのオンパレードにはげっぷが出る。そんなこんなで、いささかシニカルな目で見始めたのだが、これがなんとも実に面白い。これだから止められない。もしかしたら、と期待していたのだ。当たりである。よかった!
今回これを見たいと思った決め手はその上映時間だ。通 . . . 本文を読む
なんだかわからないけど、ドキドキする。芝居だからこそ味わえる快感に浸る。理屈で見るのではなく、感覚的に受け止める。ザワザワする。舞台から目が離せない。この緊張感が好きだったのだ。アングラ演劇の流れを汲む橋本匡市の最新作は、そんな不穏な空気を体現する。タイトルからしてそれらしいではないか。「箱舟」の話で、それが「苔生す」。まさにそのままの芝居だ。
壊れていく家族の話。いや、もう壊れている。3人兄 . . . 本文を読む
このさみしい映画を見ながら、なぜか、心がどんどん澄んでいく。生きていく足場を失い、ホームレスとして海岸の駐車場で暮らす男。車だけしかない。ロンドンからダブリンに戻って来たが、仕事はない。家族もいない。住む家もない。失業保険の給付もできない。住む家がないかららしい。
たまたま同じように車で暮らす青年と親しくなる。彼もまた、行き場がない。同じ駐車場で暮らす。ドラッグ中毒で、ヤクザから多額の借金をし . . . 本文を読む