前作『罪(ツツミツツ)蜜』も凄まじかったが、今回もまた、やってくれる。このエネルギーはいったいどこから来るのか。作、演出の亀井伸一郎は、とんでもない。細部までとことんこだわり、3時間を超える全編クライマックスの舞台を作り上げる。この異常な情熱は普通じゃない。しかも、冷静に計算された舞台を作る。ただ、熱いだけの芝居ではない。衣装、小道具、舞台装置、仕掛け、どれひとつとっても手抜きはない。実に見事なま . . . 本文を読む
今年も「たなぼた」の芝居が見れるなんて、なんだか嬉しい。彼女たちが復活してもう3年になる。ここに至ってようやく本調子になってきたのではないか。そんなふうに思えるくらいに、再演となるこの『喫茶リコリス』は、とても落ちついた作品に仕上がっている。
ある喫茶店での24時間が描かれる。朝から始まり、翌朝まで。ここはなんと終日営業の喫茶店なのだ。マスターは静かに訪れるお客さんを見守るだけ。カウンターの向こ . . . 本文を読む
とうとうファイナル。9か月続いた公演の最後は、なんと3日間、4ステージ。しかも、4公演とも違う演目。そこまでやるのか! と呆れるやら、感心するやら、のけぞるやら。もうどうとでもしなさい、というしかない。だから驚かない。
これまでは毎回1ステージ限りで8か月、ここまで頑なに最初に決めたスタイルを貫き続けてきた。まさに一期一会。その日を逃すともう見られない。毎月第4土曜日、午後5時。頑なにその約束を . . . 本文を読む
前作『キンセアニエーラ』で描かれた3つの短編から一番人気のあった作品を次回作にするという企画。そこで、3本の1本である『最終公演』を長編にして公演する。実験的な試みであった前作はこの作品と直結する。それは最初からそういうふうに企画されたのだが、それがもう思いもしない作品としてここに完成した。
とても嫌な話で、それをとんでもなくいじわるに見せる。不快感満載。でも、その不愉快さが、この作品のねらいで . . . 本文を読む
私学芸術文化祭公演で見た。会場が芸術創造館なので小劇場仕様にしての上演で、きっとコンクールヴァージョンよりも臨場感のある舞台になっていたのではないか。中ホールよりも小劇場のほうが金蘭には似合う。女子高なのにアングラに臭いが漂うのが、金蘭の凄い所で、でもそれがとても清らかで清々しい。大体『ジャップドール』をする女子高生なんて他にはあるまい。
さて、今回のこの作品である。いつもの金蘭の作品とは少し肌 . . . 本文を読む