辻村深月の『ツナグ 想い人の心得』を読んだ。実によかった。実は先月この『傲慢と善良』も読んでいた。こちらもすごくいい作品で、でも、忙しくて書くのを忘れていた。というか、この小説の痛さが、これについて書かす気持ちを萎えさせたのかもしれない。
結婚を直前に控えて姿を消した婚約者を探して旅することになる男。彼は彼女の何を知っていたのか、何を知らなかったのか。一生を共にする覚悟を決めたはずのパートナーの . . . 本文を読む
映画にもなった『ツナグ』の続編である。このパターンならいくらでも連作は可能だ。だから、もう読まなくてもわかる、って気がしてしばらく読むことを躊躇していたけど、読み始めると止まらない。しかも、ひとつひとつのエピソードが前作以上に深まっていてそれにも驚く。安易な二番煎じと高をくくっていた自分を恥じる。作者は確かな覚悟をもってこの第2作目に挑んだことが伝わってくる力作だ。「ツナグ」というアイデアだけで、 . . . 本文を読む
昨年の傑作『短編まつり2 ~屋根裏 EXPO 2019~』に続く第3弾。今回はスタジオカリバーに戻って小さな作品にした。30分ほどの短編が3作というスタイルはいつも同じだ。今回のお題は「ポン酢、トランプ、宇宙」。3つの作品のテーマはそれぞれ自由な選択をしているはずなのに、なぜか、今回も同じようなテイストの作品が並ぶ。
新選組はコロナウイルス感染予防のため公演の自粛も相次ぐ中、上演に踏み切る。短編 . . . 本文を読む