習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『1917 命をかけた伝令』

2020-03-05 23:24:39 | 映画
確かに、これは噂通りの凄い映画だった。ワンシーン、ワンカットでの119分という大胆な試みはこの映画の描こうとしたことを実に的確に伝える。このとんでもなき緊張感はそこから生まれた。特に前半戦の緊張感は凄いものがある。狭い塹壕の中を途切れることなくカメラは主人公の2人を追いかけていく。その執念のようなカメラワークに圧倒される。後半に入ると、さすがにそれだけでは持たないけど、敢えて最後までその姿勢は貫く . . . 本文を読む
コメント

㐧2劇場『フライング・チェック』

2020-03-05 23:15:07 | 演劇
ドラッグストアを舞台にしたコメディ。妊娠検査用具を大量に買いに来る謎の男を巡るお話だ。そこにパソコンの廃棄も絡めて描く。バカバカしい設定でしっかりと笑わせながら、そこから生命を巡る物語へと展開させていく。妊娠、出産から育児、成長。人間がたどるドラマを、生命の誕生から死までも視野に入れて90分で見せていく。シリアスとナンセンスのバランスがいい。それを軽いタッチのままで最後まで見せていくのもいい。 . . . 本文を読む
コメント

森絵都『カザアナ』

2020-03-05 23:07:47 | その他
今、この瞬間に、この小説を読んだ、ということを大切にしよう。この小説が描こうとする危機感は今、僕らが直面している危機感と連鎖していく。3月2日から全国の小中高校が休校になった。この前代未聞の出来事に直面して、しかもこれは何の前触れもなく、いきなりの総理による要請である。学校に対しても一切の打診もなかった。この無謀な要請を受けて、各自治体は急きょ対応し、ほとんどの自治体は受け入れるしかない状況のなか . . . 本文を読む
コメント

夏川草介『勿忘草の咲く町で』

2020-03-05 23:01:04 | その他
『神様のカルテ』シリーズのスピンオフのような作品。新任の研修医(ピカピカの1年目)と、若い看護師(3年目)の1年間を4つのエピソードで描く。とても気持ちのいい作品だ。読んでいて心洗われる。夏川草介のいつものワンパターンなのだけど、清涼剤のような小説で元気になれる。 地方の(というか、今回も信州)小規模病院を舞台にして,彼らが高齢者患者たちと向き合い、日々何をして、何を目指して生きているのかがしっ . . . 本文を読む
コメント

『初恋』

2020-03-05 22:53:54 | 映画
こんなタイトルのアクション映画ってありですか? なんと、これは三池崇史監督による久々の本格暴力映画なのだ。やりたい放題をしている。 全く場違いなタイトルがどうして、この映画に付けられたのか。気になる。一応は窪田正孝の死の宣告を受けたボクサーが主人公で、彼がたまたま、追われている少女を助けたことからお話は始まるのだけど、映画は彼の視点からではなく、複数のお話が絡んできて、それぞれのお話の主人公たち . . . 本文を読む
コメント