ホラー映画は大好きだった。だいたい『エクソシスト』から始まったのだ。僕が映画に嵌ったのは。中学の時だった。前売り券が余ったからいかへんか、と友人に誘われて行った。怖い映画は苦手だったのに、仕方なく付き合いで。忘れもしない梅田東映パラス。それまで映画は近所の2番館にしか行ったことがなかったから、ロードショー初体験。凄かった。映画もだが、映画館という場所が。大きな綺麗な劇場。予告編が終わるとスクリーン . . . 本文を読む
川村元気がこんな小説を書いていたことは知らなかった。これまでの作品はすべて発売後すぐに読んでいるのに。2019年5月に出版されていた。かまり前ではないか。映画化され本人の劇場用長編初監督作品として9月9日に公開されるから本屋さんに文庫が大々的に並んでいるので知った。(この公開日って、『百花』にちなんでなのか?)
内容を見て驚く。認知症の母親の介護を扱う話。この本が出版された時期って僕が母親の介護 . . . 本文を読む
ロシア映画とウクライナ映画がどんどん公開されている。そしてそれは戦争をテーマにしている作品ばかりだ。しかも、出来がいい。というか、切実な作品ばかりだ。そんな中でもベストは『インフル病みのペトロフ家』だ。だが、あれは素晴らしい作品だったが直接戦争を描いたわけではない。そこでこの作品だ。この作品は凄い。直球勝負だ。でも、ウクライナとの戦争の話ではない。
1945年。戦争が終わった直後が舞台だ。さすが . . . 本文を読む
たまたまだろうけど、これが今年のHPFのフィナーレを飾る作品になった。50分程度のささやかな作品なのだろうと勝手に思い込んでいたら、なんと80分の長さ。しかも、オリジナル。見る前は「大丈夫なのか、」と思う。(実は、コンクールかなんかで上演された既成台本か、と思っていた。でも、作、演出が同一人物だったので、オリジナルだという事は見ればすぐにわかる。それくらいに何も考えず、期待もしていなかったというこ . . . 本文を読む
懐かしい。如月小春だ。彼女が亡くなって、もう20年が経つのか。80年代から90年代にかけて彼女の作品に夢中になっていた。劇団「NOISE」は関西での公演は(ほぼ)すべてリアルタイムで見た。ドラマからパフォーマンスへと移行するなかで、シンプルに体現する人間の本質に迫るような作品が心地よかった。でも、『工場物語』やこの『DOLL』のほうが好き。初期の作品にある劇世界は、あの頃僕が好きだった演劇そのもの . . . 本文を読む