こんなタイトルで小説を書くなんて、なんだかとても勇気がある。TVドラマならありそうだが、これ普通に大人向け小説だし。でも敢えて、それだからこそこの気恥ずかしいタイトルをつけた。クビというニュアンスが大事だった。本心ではない。だけど、ここでしっかり決別しなくてはならないというのも事実。さらには小柳先輩の失踪、死は10年後の自分だけど。それは惨めなことではなく、悲しくて。彼からのメッセージを受け止めて . . . 本文を読む
これはある少年が花火職人になるまでのお話。だからこのタイトル。17歳の少年が補導委託で煙花店にやってくる。アルバイト先で暴力事件を起こし、家庭裁判所に送致されたのち試験観察処分となった鳴海円人だ。昨日読んだ『ヨルノヒカリ』に続いて、これも子供の頃に母親を失いひとりぼっちになった少年の再生までのお話。優しい人たちに導かれて、頑なだった心がほぐれてくる。そこから生きていく力が生まれる。花火作りに関わっ . . . 本文を読む
これは2022年の韓国映画。とんでもない映画である。いろんな意味で呆れてしまう映画だけど、究極のラブストーリーだ。とことん極めている。もちろん究極のラブストーリーの最高傑作は、同じく韓国映画のクァク・ジェヨン監督『ラブ・ストーリー』であろう。それと恋愛映画であり同時に難病映画の最高水準の映画はホ・ジノの『八月のクリスマス』だと思う。この二本の傑作を掛け合わせたくらいに強烈な映画が生まれた。それがこ . . . 本文を読む
この寂しさはよく知っている。ひとりぼっちの雨の日。僕は小学生で、窓から外を眺めている。誰もいないし、何もできない。休みの日の午後。(あるいは平日夕方)そんな時は眠るしかない。何も考えずに静かに眠りにつく。そうすれば、誰かが帰ってくる。きっと。そんな夢を見る。
主人公のヒカリには誰もいない。夜野光。27歳。家族もない。恋人もいない。仕事を失くし、住む家も失った。台風の夜。このまま死 . . . 本文を読む