こういうバカもほどほどにして欲しい、と思わせる映画の傑作は難しい。月でナチスが今も生きていて、地球征服を企んでいる、だなんてあほらしくて誰も想像しない。そんなアホに挑む。要するに宇宙人による地球征服もののバリエーションでしかないのだが、ディテールさえうまく生かせば成功する。それくらいこのアイデアは悪くはないのだ。
だが、匙加減が難しい。このありきたりと紙一重の綱渡りを見事乗り越えられたなら、凄いものになるのだが、それが大変な作業なのだ。しかも、大予算のスペクタクルではなくチープな映画だ。そんなことは最初から作り手自身が覚悟の上である。こんな企画に資金を投じるメジャー会社はない。
どれだけない知恵を絞り切れるのかで、勝敗を分ける。カリスマ的キャラクターに逃げる事もできたが、それではこの企画の面白さが損なわれる。ここんところはちゃんとアイデアをどこまで持続させるかだ。90分程度の作品にしたのは正しい。それ以上はこんなアイデアで引っ張ることはできないからだ。うまくだますためには先行逃げ切りしかない。だが、残念ながら息切れしてしまう。
地球にナチスがやってきて全面戦争を繰り広げる。しかも、相手は宇宙船を飛ばしてやってくるほどの科学技術を有する。どう対抗するのか。その結果ナチスは世界征服を成し遂げるのか。ヒトラーに匹敵するほどのカリスマ性のある指導者が、たぶんアメリカを中心にする地球軍と軍事的にどう戦うのか、という側面と、もっと大事なことは政治的な駆け引きでどれだけ笑わせながら、観客を恐怖に落とし込むのかが、決め所となるはずなのだ。だが、この映画はそういう一番大事なところをおざなりにする。というか、するしかない。思い付きだけでは映画は作れないという話だ。
だが、匙加減が難しい。このありきたりと紙一重の綱渡りを見事乗り越えられたなら、凄いものになるのだが、それが大変な作業なのだ。しかも、大予算のスペクタクルではなくチープな映画だ。そんなことは最初から作り手自身が覚悟の上である。こんな企画に資金を投じるメジャー会社はない。
どれだけない知恵を絞り切れるのかで、勝敗を分ける。カリスマ的キャラクターに逃げる事もできたが、それではこの企画の面白さが損なわれる。ここんところはちゃんとアイデアをどこまで持続させるかだ。90分程度の作品にしたのは正しい。それ以上はこんなアイデアで引っ張ることはできないからだ。うまくだますためには先行逃げ切りしかない。だが、残念ながら息切れしてしまう。
地球にナチスがやってきて全面戦争を繰り広げる。しかも、相手は宇宙船を飛ばしてやってくるほどの科学技術を有する。どう対抗するのか。その結果ナチスは世界征服を成し遂げるのか。ヒトラーに匹敵するほどのカリスマ性のある指導者が、たぶんアメリカを中心にする地球軍と軍事的にどう戦うのか、という側面と、もっと大事なことは政治的な駆け引きでどれだけ笑わせながら、観客を恐怖に落とし込むのかが、決め所となるはずなのだ。だが、この映画はそういう一番大事なところをおざなりにする。というか、するしかない。思い付きだけでは映画は作れないという話だ。