これだけの大作なのに、どうしてこんなにもつまらないのだろうか。テンポがあまりに悪すぎるし、お話自体にも説得力がなさ過ぎる。これでは辛い。なぜこんなことになってしまったのか、気になる。
成島出監督は初めてこれだけの超大作を任されて、とても嬉しかったはずだ。このチャンスを活かし、自分の可能性を開きたいと強く思ったはずだ。なのに・・・
これは、肩に力が入りすぎて失敗したなんていう単純なことではない。
きっと様々な事情が重なり不本意なことになってしまったのに違いない。脚本を自分で書いていないというのも、なんだか彼らしくない。脚本家からそのキャリアをスタートさせた彼が、ここ一番の勝負作で自分が書かないなんておかしい。最初から先に脚本が出来ていて後から監督の依頼があったのだろうか。納得のいかない本で演出することになったから、失敗した、なんて言い訳は出来まい。ならば、書き直すなり、降りるなりも、出来たはずだ。だが、彼はこの本で撮影した。ということは、すべて彼の責任である。
まぁ、つまらない憶測はやめて映画の話をしよう。
こういうお話にはまずリアリティーが必要なのに、大枠でも、細部でもまるでリアルさがない。これは致命的だ。戦場カメラマンの主人公(大沢たかお)がなぜ撮れなくなったのか。という導入部のあまりに紋切り型の理由。そこからまず乗れない。
しかも、彼が事件に巻き込まれ雪山で彼を連れてきた新聞記者(玉木宏)と2人でテロリストと戦うのだが、敵はまるで本気で攻めてこない。時々思い出したように銃を乱射するばかりだ。緊張感がまるでない。しかも、東京で彼の義理の妹の雑誌記者(竹内結子)が、事件を追うのだが、こちらも、こんな杜撰なやり方でなぜ殺されないのかと思う。ご都合主義のストーリー展開なので、まるでスリリングにはならない。(「まるで」ばかりが続く文になっている)
スピード感はないし、リアルさもないような大味な映画では、ダメダメなのだが、映画自身はとても真面目で誠実な映画になっている。真剣に気合いを入れて作ってあるだけに、それが全て悪い方向にいってしまい、気付くとなんだかがっかりするような映画になっているのが可哀想でならない。雪山での撮影は大変だっただろうし、決してふざけた映画ではない。
それにしてもどうしてこんなにも地味なキャスティングなのだろう。何を売りにしているのかもよく分からない。
米軍のステルスが北アルプスに墜落して、そこには核が搭載されていた。これは北朝鮮の工作員による陰謀で、核を爆発させ、日本をパニックに陥れようとする。それを阻止するために2人の民間人が、自衛隊の生き残りの男と協力して戦う。改めてこうしてストーリーを書くと確かにアメリカ映画のようなアクション巨編になりそうな気もする。しかし、このストーリーは古すぎないか?今時ハリウッドもこんなタイプの映画なんて作らない。
なぜ、これを映画化したいと思ったのだろうか。いくら考えてもその理由がわからない。当然の事だが、劇場は閑古鳥が鳴いている。たくさんのお金をつぎ込みヒットする可能性がまるでない映画を作る。これはTV局が作るTVドラマの延長の映画ではないだけに、余計にたちが悪い。
せめて成島出監督の好きにさせたならもう少し別の映画になったのではないか。責任の所在が分からない中途半端な失敗作、というのがなんだか納得いかない。
成島出監督は初めてこれだけの超大作を任されて、とても嬉しかったはずだ。このチャンスを活かし、自分の可能性を開きたいと強く思ったはずだ。なのに・・・
これは、肩に力が入りすぎて失敗したなんていう単純なことではない。
きっと様々な事情が重なり不本意なことになってしまったのに違いない。脚本を自分で書いていないというのも、なんだか彼らしくない。脚本家からそのキャリアをスタートさせた彼が、ここ一番の勝負作で自分が書かないなんておかしい。最初から先に脚本が出来ていて後から監督の依頼があったのだろうか。納得のいかない本で演出することになったから、失敗した、なんて言い訳は出来まい。ならば、書き直すなり、降りるなりも、出来たはずだ。だが、彼はこの本で撮影した。ということは、すべて彼の責任である。
まぁ、つまらない憶測はやめて映画の話をしよう。
こういうお話にはまずリアリティーが必要なのに、大枠でも、細部でもまるでリアルさがない。これは致命的だ。戦場カメラマンの主人公(大沢たかお)がなぜ撮れなくなったのか。という導入部のあまりに紋切り型の理由。そこからまず乗れない。
しかも、彼が事件に巻き込まれ雪山で彼を連れてきた新聞記者(玉木宏)と2人でテロリストと戦うのだが、敵はまるで本気で攻めてこない。時々思い出したように銃を乱射するばかりだ。緊張感がまるでない。しかも、東京で彼の義理の妹の雑誌記者(竹内結子)が、事件を追うのだが、こちらも、こんな杜撰なやり方でなぜ殺されないのかと思う。ご都合主義のストーリー展開なので、まるでスリリングにはならない。(「まるで」ばかりが続く文になっている)
スピード感はないし、リアルさもないような大味な映画では、ダメダメなのだが、映画自身はとても真面目で誠実な映画になっている。真剣に気合いを入れて作ってあるだけに、それが全て悪い方向にいってしまい、気付くとなんだかがっかりするような映画になっているのが可哀想でならない。雪山での撮影は大変だっただろうし、決してふざけた映画ではない。
それにしてもどうしてこんなにも地味なキャスティングなのだろう。何を売りにしているのかもよく分からない。
米軍のステルスが北アルプスに墜落して、そこには核が搭載されていた。これは北朝鮮の工作員による陰謀で、核を爆発させ、日本をパニックに陥れようとする。それを阻止するために2人の民間人が、自衛隊の生き残りの男と協力して戦う。改めてこうしてストーリーを書くと確かにアメリカ映画のようなアクション巨編になりそうな気もする。しかし、このストーリーは古すぎないか?今時ハリウッドもこんなタイプの映画なんて作らない。
なぜ、これを映画化したいと思ったのだろうか。いくら考えてもその理由がわからない。当然の事だが、劇場は閑古鳥が鳴いている。たくさんのお金をつぎ込みヒットする可能性がまるでない映画を作る。これはTV局が作るTVドラマの延長の映画ではないだけに、余計にたちが悪い。
せめて成島出監督の好きにさせたならもう少し別の映画になったのではないか。責任の所在が分からない中途半端な失敗作、というのがなんだか納得いかない。