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これは大好きな新城毅彦監督の新作だったのだが、いくらなんでもこの題材を僕が劇場で見るのは恥ずかしい。きっと周りは女子中高生ばかりだろうし、と心配して結局は見に行けなかった。この3月の話だ。ようやく配信がスタートしたのでさっそく見たのだが。行かなくてよかった。まさかの駄作なのである。
彼は少女漫画の映画化は(たぶん)得意だけど、さすがにこの企画は難しかったのか。学校で一番のイケメン男子と片思いごっこに興じる女子高生が、次第に彼のことを本当に好きになってしまうという赤面もののラブロマンス。どんな題材でも自分の世界に引き寄せて、でもちゃんと原作の意図を汲み取って作品化してきた彼なのに。TVドラマ『イグアナの娘』の頃から、注目していたし、劇場映画はデビュー作である傑作『ただ、君を愛してる』(2006)からすべて(ほぼみんなを劇場で)見てきた。
メガホンを取るのは最近は(もう4年前になる)『午前0時、キスしに来てよ』以来となる。あれも配信で見た(あれ以前の作品がすべて劇場で公開時に見ている)が、残念な作品だった。映画からは離れていた新城毅彦監督だが、今年久しぶりのTVドラマ『いちばん好きな花』の最初の2本を監督している。(これを書いた後調べたらそんな記載はなかったけど、僕の勘違いか?)これがとてもいい。(彼が監督してないから途中からはつまらなくなったけど)そう言えば『日曜日の夜ぐらいは…』も彼が手掛けた演出部分はとてもよかった。こんなタイプの映画こそ今の彼には撮って貰いたい。子供を主人公にした映画ではなく。
残念だが今回のこの映画にはまるで感情移入できない。お話がバカバカしいのは仕方ないけど、そんなファンタジーの中にリアルをきちんと織り混ぜて彼なら絶妙なバランスの作品を作ることができるはずだったのだ。だけれど、新城監督なのに、今回は最後まで乗れないままで終わる。もう彼には少女漫画は無理なのか。ここまでまるで乗れないなんて悲しかった。最後に一発大逆転でもあるのかと待っていたけどない。