キム・ギドクの未公開作品のひとつ。これですべての彼の作品に目を通したことになる。さすがにこれはいただけない。今回DVDリリースされた初期作品はいずれもあまりに荒削りで、日本初公開作品『魚と寝る女』以下の諸作品とは出来が違う。まぁそれは当然と言えば当然のことであろう。
だが、そんな中でもこれは特別酷い。数あるギドク映画の中でも唯一の完全失敗作である。だいたいオールパリロケまでして、何が見せたかったのだろうか、なんて言いたくなるくらいに内容のない映画だった。初期の習作なんて言うことすら出来ないくらいに、ここには彼らしさがない。過激な暴力とエロス。いつものように橋の下で生活していたりするところは彼らしいと言えないでもないが。
デビュー作の『鰐』には彼のあらゆる要素がてんこもりされていたのに対して、これにはチャレンジャーとしての彼の可能性が満載されてあるはずだったのだろう。しかし、自分の中にあるはずの大事な要素が、明確には見えないまま1本の映画を作ってしまうことになったようだ。その結果がこれだ。
この壮大な失敗作が将来キム・ギドクにとってひとつの原点だったなんていわれる日がくるのだろうか。ここには彼がやりたかったことが内包されいるはずだ。それがなんだか少し気になるが、今はもうこれには触れることなく次回作(5月公開の『息』)を待とう。
だが、そんな中でもこれは特別酷い。数あるギドク映画の中でも唯一の完全失敗作である。だいたいオールパリロケまでして、何が見せたかったのだろうか、なんて言いたくなるくらいに内容のない映画だった。初期の習作なんて言うことすら出来ないくらいに、ここには彼らしさがない。過激な暴力とエロス。いつものように橋の下で生活していたりするところは彼らしいと言えないでもないが。
デビュー作の『鰐』には彼のあらゆる要素がてんこもりされていたのに対して、これにはチャレンジャーとしての彼の可能性が満載されてあるはずだったのだろう。しかし、自分の中にあるはずの大事な要素が、明確には見えないまま1本の映画を作ってしまうことになったようだ。その結果がこれだ。
この壮大な失敗作が将来キム・ギドクにとってひとつの原点だったなんていわれる日がくるのだろうか。ここには彼がやりたかったことが内包されいるはずだ。それがなんだか少し気になるが、今はもうこれには触れることなく次回作(5月公開の『息』)を待とう。