この春『仮面ライダー3号』を見て、期待したほどではないけど、でも、ほんの少し感心した。1号2号の後、ショッカーは幻の3号ライダー(Vスリーではなく)を作っていたというライダー世界の歴史を覆すような、あっと驚く設定で結構本格的長編に作ろうとしていたのだ。3号ライダーを及川光博が演じたのも渋い。
ルーティーンワークのなかでも、新しい可能性を期待させるような実験をしているのだな、と思えた。そう言えば昨年の『昭和ライダー対平成ライダー』にしてもそうだった。しかも、あれよりもさらに(ほんの少し、だけど)進化している、と思えた。それだけに、『仮面ライダー3号』に続いてドライブが単独で主役となる今回も見てもいいか、と思った。「久々に夏のライダーも見てみようか、」なんて気にさせられたのだ。
夏は戦隊モノと2本立てなので、60分程度の中編となる。しかも、春より少し子供向け。(というか、これは子どものための映画なのだが)
今回はなんと、『ターミネーター』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が入った作品で、出だしは、ワクワクした。未来からやってきた息子が「おとうさん、未来が危ないんだ!」なんて言う。そこに、彼を追いかけてやってきたターミネーターみたいな怪人がやってきて、あれよあれよという間に、戦いになる。(それはいつもの定番だけど)
ドライブは仮面ライダー史上初の四輪ライダーで、(それはないわぁ、と思うけど)体にタイヤを巻いていて、ベルトに「ベルトさん!」とか、呼びかけるし、なんとも奇異なキャラクター。でも、やけに熱い(暑苦しい)男で、なんと現役警察官で、本庁での捜査会議のシーンとかあるし、なかなか本格的な映画になっている。柳沢慎吾が警視総監で、片岡鶴太郎が主人公の上司なんていうキャスティング。(実を言うと、僕は今日、初めて『ドライブ』を見たのだ。TVシリーズは一度も見たことがない!)
60分に詰め込むためストーリーの展開が早すぎるのが難点だ。(子どもたちは大丈夫か?)そのくせ、細部はいいかげんだから、お話にも乗り切れない。パクリのお話でもいいから、もう少しちゃんと展開させてくれたなら、もっと楽しめたはず。残念だ。
同時上映の『ニンニンジャー』(正式なタイトルは『手裏剣戦隊ニンニンジャー THE MOVIE 恐竜殿さまアッパレ忍法帖』)もとんでもないシロモノで、笑える。いくらなんでも、これはないだろ、というようなキャラクターを堂々と取り上げるのが最近の戦隊ものなのだが、忍者は何度かあった気がするけど、本格(?)時代劇は初めてではないか。恐竜の殿さまとか、ばかばかしいし、夏休みの宿題とか、なんだか、『忍たま乱太郎』みたい。