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『海が見える家』4部作の続編になる新作。文哉は父の残した海の家から出て、新しい自分の家を作るために群馬県の山間部、限界集落の廃屋を自らの手で改築して暮らし始める。
新しい一歩を踏み出した文哉。まずひとりで買い取った家で暮らしながらリフォームを始めるが当然苦難の連続だ。読みながら、まるで自分も彼と一緒に農業を始めたような気になった。もちろん僕が古民家再生や農業従事なんて出来るわけもなく、ただの気分だけだけど、そんな気分が新鮮だ。
文哉が少しずついろんなことを学んでいく姿は見ていて気持ちいい。梅の収穫のエピソードは今回の白眉だろう、まだお話は始まったばかりで話はここから続くのだが、今は一刻も早く次回作を読みたい。次は凪子がやって来てふたりの新生活が始まる。次回作の出版はたぶん来年の春くらいになるのだろうが、それまで楽しみに待とう。