配信ドラマのミニシリーズで4話からなる中編オムニバス。1話が30分から40分だから全体でも2時間30分程度。だからこの長さなら、それを一本の映画として見ても長すぎることはない。だけど、オムニバス映画としたなら少し長いくらいのボリューム。微妙な尺。これを1話ずつ分けてスマホで見る。今はこんな映画の楽しみ方が成り立つ時代になっている。
SNSで炎上する恐怖を描く連作。多少の誇張はあるが、充分有り得る怖さだ。藤井道人監督が企画プロデュースした。4話とも別々の監督を立てて、最終話は藤井道人が自ら監督もしている。前半の2本がいい。かなり怖いホラーになっている。
自由に映像を投稿すること、嘘も含めてどんどんネットに書き込みもできる時代。面白おかしくいいかげんなことが蔓延してやがて炎上して忘れられる。だが、それによって破滅させられる人もいる。4つのケースはそんなプロトタイプである。この先まだまださまざまなバリエーションでSNSの犯罪は起きる。怖い時代になってしまった。
ストーリーテラーは磯村勇斗。最終話は彼の話になる。しかも監督は藤井道人。なのに残念だが、これはあまり面白くない。ネットで情報発信している語り手だった男が自ら主人公となって最後に遭遇する事態にはあまりインパクトがない。できることならそこにはそれまで以上の新鮮な驚きが欲しかった。刺激はさらなるエスカレートを求める。欲しかったのは刺激ではなく孤独な内面の深化だ。SNSが人をどう変えてしまうのか。そこまで描くことが課題だったはず。