『シルミド』の監督最新作。なんとカルト教団の話だ。2時間42分の超大作である。こんなにも長いのに最後までどうなるのか先が読めない展開だ。まぁ、かなり強引で冷静に考えたらそれはないよな、と思うことばかりで、突っ込みどころは満載なのだが、謎が謎を呼ぶ展開と、どうなっているのだ、という意外性でどんどん引きずり込まれる。要するにチープだが飽きさせないのだ。重厚なドラマで付け入るところもないよくできた台本だったら反対に重すぎて途中で投げ出すことになる。このくらいの穴だらけのほうがいいのかもしれない。原題は『苔』。本当はこの方が映画の品質を突いているのだが、邦題のほうがわかりやすい。おどろおどろしい『八つ墓村』系映画の線で売ろうとする配給会社の戦略だろう。でも、今時それもない。
オープニングの悪徳刑事と宗教団体の教祖とのやりとりから一気に話の中に引き込まれる。刑事はインチキ宗教だと思っていたのに、この男のカリスマ性に引き込まれる。男は奇跡を起こすわけではないが、この男の神聖に誰もが取り込まれる。そこに目を付けた刑事は彼と一緒に新興宗教の教団を主宰する。集団自殺のシーンから一転して30年後、とある村の村長となった刑事と男は、そこで教団を起こし、村全体がこの教団の信者であるコミューンを作る。
事件は男の死から始まる。20年間離ればなれになっていた男の息子が村にやってくる。男の死の謎を解明するためである。謎に包まれた父親の真実の姿と向き合うためこの村に滞在し、教団の秘密を暴く。主人公はこの息子と、今では、見る影もない禿老人になった元刑事(凄い老けメイクで、まだ40代くらいなのに70の老人を演じる!)である村長の2人。やがてこの村の秘密に包まれたベールが明らかになる。次々起こる殺人とか、さすが原作は劇画である。飽きさせないための無茶な工夫のオンパレード。ホラーではないが、ホラータッチとか。
それにしても、こういうミステリータッチの怪奇映画を今わざわざ作ったのはなぜだろうか。深遠なテーマはない。でも娯楽映画としてはどうだろうか。人気劇画の映画化というのは、後で知ったのだが、映画化はそれだけが理由ではあるまい。韓国では大ヒットしたらしい。
いくら何でも長すぎるし、そのくせ単純な娯楽でもなさそうだ。僕にはこの企画意図がよくわからない。でも、なんだか気になる映画だ。このなんともへんてこな映画はどこにもない不思議な映画であることは確かで、それなりに面白く見れた。
オープニングの悪徳刑事と宗教団体の教祖とのやりとりから一気に話の中に引き込まれる。刑事はインチキ宗教だと思っていたのに、この男のカリスマ性に引き込まれる。男は奇跡を起こすわけではないが、この男の神聖に誰もが取り込まれる。そこに目を付けた刑事は彼と一緒に新興宗教の教団を主宰する。集団自殺のシーンから一転して30年後、とある村の村長となった刑事と男は、そこで教団を起こし、村全体がこの教団の信者であるコミューンを作る。
事件は男の死から始まる。20年間離ればなれになっていた男の息子が村にやってくる。男の死の謎を解明するためである。謎に包まれた父親の真実の姿と向き合うためこの村に滞在し、教団の秘密を暴く。主人公はこの息子と、今では、見る影もない禿老人になった元刑事(凄い老けメイクで、まだ40代くらいなのに70の老人を演じる!)である村長の2人。やがてこの村の秘密に包まれたベールが明らかになる。次々起こる殺人とか、さすが原作は劇画である。飽きさせないための無茶な工夫のオンパレード。ホラーではないが、ホラータッチとか。
それにしても、こういうミステリータッチの怪奇映画を今わざわざ作ったのはなぜだろうか。深遠なテーマはない。でも娯楽映画としてはどうだろうか。人気劇画の映画化というのは、後で知ったのだが、映画化はそれだけが理由ではあるまい。韓国では大ヒットしたらしい。
いくら何でも長すぎるし、そのくせ単純な娯楽でもなさそうだ。僕にはこの企画意図がよくわからない。でも、なんだか気になる映画だ。このなんともへんてこな映画はどこにもない不思議な映画であることは確かで、それなりに面白く見れた。