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映画・演劇のレビュー

『スウィーニー・トッド』

2008-01-09 22:22:47 | 映画
 まさかミュージカルとは思いもしなかった。何度も予告編を見ているが、そんな宣伝はなされていない。(まぁ、そのほうがお客を騙すにはいいが)だいたいこういうスプラッター・ミュージカルって、いかがなものか?

 見ていて気分が悪くなるくらいに血が飛び出る。カミソリ片手に喉をかききり血まみれにする。ストーリーは至極単純。何の仕掛けもない。予告編の方が内容があるのではないか、と思うくらいに、何の仕掛けもない話だ。ブロード・ウェイの大ヒットミュージカルの映画化らしいが、こんな陰惨な話をミュージカルにして何が嬉しいのやら。よく分からない。アメリカ人は本当に不思議だ。

 映画版は、せめて笑える映画ならいいのだが、そうでもなく、シリアスとはとても思えないし、何のつもりでこんな映画を作ったのやら、わけがわからない。歌って踊ってのジョニー・デップだが、復讐も犯罪もすべてがいい加減で、彼は何のために、ここに舞い戻ってきたのでしょう?今年1番のとほほ映画。

 ジョニー・デップとティム・バートンのコンビは前作『チャーリーとチョコレート工場』も大概な映画だったが今回はあれの更に上を行く珍品。大阪だけで5千人以上に試写で見せるみたいだが、きっと口コミで「見ないほうがいいよ」なんて評判になりそうだ。

 決して悪い映画だと言うわけではない。ティム・バートンらしい独特の雰囲気は確かにある。だが、それ以上のものは何もない。

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