習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『波の数だけ抱きしめて』

2015-09-04 20:14:37 | 映画
別にこの映画を今見た訳ではない。たまたまTVをつけたらやっていて、途中からほんの少し見ただけだ。

1991年の秋だったのだ。この映画が公開されたのは。たしか。 ということは、もう24年も前になる。『私をスキーに連れてって』で始まったホイチョイ・ムービーのフィナーレ。バブルの終わり。

あの頃、なんだか切なくて、泣いた。彼らが愛おしくて、2度見た。主人公の青年(織田裕二)は、まだ22歳だった。切ない想いは彼女(中山美穂)には届かないまま、夏は終わる。大人になっていく途上にいる。大人と子供の間で揺れていく男女の気持ち。

湘南の海を自分たちのFM局の放送でいっぱいにする。そんな夢を実現しようとする。海辺のミニFM局を舞台にした恋愛映画だ。当時中山美穂のファンだったから感情移入しただけかもしれない。今見ると、なんか恥ずかしい映画で、ファッションや小麦色の肌まで、滑稽で。懐かしさよりも、気恥かしい。

それって自分が生きた時代を否定している気分になる。あの頃、ラストで大人になった彼らの同世代だったのだ。だから、懐かしかったのだろう。描かれるのは80年代の青春で、それを感傷的に感じたのだろう。

あれから20年以上経った今、映画はもう思い出ですらなくなっている。先にも書いたが、たまたま、家に帰った時、この映画がやっていて、途中から少し見た。そのあと、お風呂に入って、出てから、またラストの30分ほどを見た。だから、ちゃんと見たわけではない。合計40分ほどしか見ていない。中山美穂も織田裕二も若い。松下由樹も。相変わらずの松任谷由実の歌も時代を感じさせる。

あれからほんとうに遠くまで来たな、と改めて思う。この映画自体がノスタルジアなのに、それをさらに20数年後に見たなら、80年代も90年代も同じように、ただただ懐かしいものにしかならないというのに驚く。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏に見た映画 『ジェラシー... | トップ | 『お茶漬の味』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。