豊島ミホ初のエッセイ集。で、同時に最後のエッセイ集。『リテイク・シックスティーン』で作家活動に終止符を打った彼女のここ数年の心境を語ったもの。「L25」に掲載されたものをまとめた。書き下ろしも数編ある。
どこにでもいるふつうの女の子のつぶやきが綴られる。正直言ってありきたりなことを書いただけのつまらいなエッセイでしかない。時間を割いてわざわざ読むまでもない。途中で辞めようかとも思ったが、せっかく読み始めたし、彼女がどんな心境の中、ここ数年を生きてきたのか、そのへんの事情が気になったから、やはり最後まで読んでしまった。別にゴシップのようなものを期待したのではない。だいたい人のことには興味ないし。
とても臆病で、慎重な性格がよく出ていて微笑ましい。作家として生きてきて、そこで感じた戸惑いがよく出ている。なんて真面目な人だろう、と思う。だから、東京生活がなじまないのだろう。
彼女の小説は『檸檬のころ』を最初に読んだ。とても好きだった。それから遡ってすべて読んだ。その後新刊が出ると、その都度読んだ。どれも好きだ。初めての本格長編となった『リテイク・シックスティーン』は彼女の持てる力のすべてを注ぎ込んだ大傑作である。あれを書くことで自分の作家としての生き方に終止符を打った。もう書かない、というのは、すごい決心だと思う。田舎に帰り、ふつうの女の子になる、なんてあまりに大胆すぎる。でも、真面目な彼女はそういう選択をした。
彼女がずっと長編を書かないことに対して、不満を持ってきた。不思議でならなかった。だが、このエッセイを読んでなんとなくわかった気がした。彼女は本当に慎重な人だから、中途半端な長編が書けなかったのだろう。自信もなかった、はずだ。繊細で臆病な彼女はいいかげんに書きなぐるような小説が書けない。丁寧に丁寧に1篇ずつを書く。だから、今は休養を必要としている。それでいいのだと思う。
ps 初エッセイっていうのは、嘘。2冊目、だと思う。本格的長編というのは、たぶん、ほんと。いろんなことをきちんと調べないまま思いつきで書いてるから、僕はミスが多い。
どこにでもいるふつうの女の子のつぶやきが綴られる。正直言ってありきたりなことを書いただけのつまらいなエッセイでしかない。時間を割いてわざわざ読むまでもない。途中で辞めようかとも思ったが、せっかく読み始めたし、彼女がどんな心境の中、ここ数年を生きてきたのか、そのへんの事情が気になったから、やはり最後まで読んでしまった。別にゴシップのようなものを期待したのではない。だいたい人のことには興味ないし。
とても臆病で、慎重な性格がよく出ていて微笑ましい。作家として生きてきて、そこで感じた戸惑いがよく出ている。なんて真面目な人だろう、と思う。だから、東京生活がなじまないのだろう。
彼女の小説は『檸檬のころ』を最初に読んだ。とても好きだった。それから遡ってすべて読んだ。その後新刊が出ると、その都度読んだ。どれも好きだ。初めての本格長編となった『リテイク・シックスティーン』は彼女の持てる力のすべてを注ぎ込んだ大傑作である。あれを書くことで自分の作家としての生き方に終止符を打った。もう書かない、というのは、すごい決心だと思う。田舎に帰り、ふつうの女の子になる、なんてあまりに大胆すぎる。でも、真面目な彼女はそういう選択をした。
彼女がずっと長編を書かないことに対して、不満を持ってきた。不思議でならなかった。だが、このエッセイを読んでなんとなくわかった気がした。彼女は本当に慎重な人だから、中途半端な長編が書けなかったのだろう。自信もなかった、はずだ。繊細で臆病な彼女はいいかげんに書きなぐるような小説が書けない。丁寧に丁寧に1篇ずつを書く。だから、今は休養を必要としている。それでいいのだと思う。
ps 初エッセイっていうのは、嘘。2冊目、だと思う。本格的長編というのは、たぶん、ほんと。いろんなことをきちんと調べないまま思いつきで書いてるから、僕はミスが多い。