佐藤嗣麻子監督作品。彼女がこういうメジャー映画に起用されるだなんて、なんだかおもしろい時代がやってきたものだ。もともとは山崎貴にオファーが来た企画なのだろう。だが、彼が蹴ったことで(たぶん)どういう経緯かは、わからないが、彼女にチャンスが回って来たのだ!これだけの大予算のプロジェクトに怯むことなく自分らしさも織り込んで、もちろん観客のニーズにもしっかり応える娯楽大作として作り上げたその腕前は賞賛に値する。江戸川乱歩の原典にも、北村想の原作にも囚われることなく、映画オリジナルを貫いて作品世界を構築した。
そして、様々な憶測を乗り越えて、期待に見事応えて、ここに日本映画史上稀に見るアクション大作が誕生したのだ。これは快挙だ。2時間17分、とても楽しい。『ALWAYS 3丁目の夕日』のSFXチームが、空想の都市、1949年帝都、東京を作り出した。その架空の町で20面相と、濡れ衣を着せられたサーカスの団員、平吉(金城武)の戦いが、もちろん明智探偵(仲村トオル)も交えて描かれる。
終盤の空中戦のシーンなんて『天空の城 ラピュタ』を髣髴させる。映画としてはむちゃくちゃ緩い作りなのだが、そこがまたいい。ハードなアクションではなくユルユルなアクション。笑いと(苦笑含む)手に汗握るチープな場面。でもそれが駄菓子屋的な豪華さで、とても楽しいのだ。お話も突っ込みどころ満載。出てくる人たちみんなコメディーか、と思わせるような芝居をしてる。だが、それが嫌ではない。安っぽさを作品の力にするなんてなかなか出来ることではない。金城武と松たか子のコンビに一人シリアス仲村トオルの3人組が実にいい。ばかばかしさが作品を彩る。
もちろんSFXは凄いのだ。よくぞここまでやってくれたものだ、と思わされる。だが、それだけが見せ場ではない。派手なアクションとおばかなお話が見事に融合して幸福な映画を作り出した。あっと驚くエンディング(まぁ、途中で話は読めないではないが)も含めて実にうまい。大ヒットして欲しい、このお正月一番の大作だ。
余談だが、空の駅舎の中村賢司さんが演出した北村想脚本による2本の『怪人二十面相・伝』はこの映画とは全く別物だが、実に面白い芝居で、この映画を見たら、また見たくなってしまった。
そして、様々な憶測を乗り越えて、期待に見事応えて、ここに日本映画史上稀に見るアクション大作が誕生したのだ。これは快挙だ。2時間17分、とても楽しい。『ALWAYS 3丁目の夕日』のSFXチームが、空想の都市、1949年帝都、東京を作り出した。その架空の町で20面相と、濡れ衣を着せられたサーカスの団員、平吉(金城武)の戦いが、もちろん明智探偵(仲村トオル)も交えて描かれる。
終盤の空中戦のシーンなんて『天空の城 ラピュタ』を髣髴させる。映画としてはむちゃくちゃ緩い作りなのだが、そこがまたいい。ハードなアクションではなくユルユルなアクション。笑いと(苦笑含む)手に汗握るチープな場面。でもそれが駄菓子屋的な豪華さで、とても楽しいのだ。お話も突っ込みどころ満載。出てくる人たちみんなコメディーか、と思わせるような芝居をしてる。だが、それが嫌ではない。安っぽさを作品の力にするなんてなかなか出来ることではない。金城武と松たか子のコンビに一人シリアス仲村トオルの3人組が実にいい。ばかばかしさが作品を彩る。
もちろんSFXは凄いのだ。よくぞここまでやってくれたものだ、と思わされる。だが、それだけが見せ場ではない。派手なアクションとおばかなお話が見事に融合して幸福な映画を作り出した。あっと驚くエンディング(まぁ、途中で話は読めないではないが)も含めて実にうまい。大ヒットして欲しい、このお正月一番の大作だ。
余談だが、空の駅舎の中村賢司さんが演出した北村想脚本による2本の『怪人二十面相・伝』はこの映画とは全く別物だが、実に面白い芝居で、この映画を見たら、また見たくなってしまった。