81年公開のサム・ライミ監督の『死霊のはらわた』。その正統続編でリー・クローニンが監督・脚本した作品。『死霊のはらわた』は傑作だった。あんなにも怖くて笑える映画はそれまでにはなかった。だけどその後同じタイプの映画が連発して今では新鮮さはない。しかもあの映画自体も続編からシリーズ化しマンネリに陥る。もちろんオリジナル3部作以降も新たな作品を作るがその作品をサム・ライミが手掛けることはない。(僕は見ていないし)
だけど今回の本作は初心に戻ってサム・ライミと主演のブルース・キャンベルがプロデュースしたようだ。そこで少し期待しながら見ることに。
リメイク版のリブートである第4作は見ていないが、このシリーズとしては第5作目になる新作はお話をロサンゼルスの古いマンションのワンフロア(と駐車場)に限定して見せる展開がいい。冒頭の摑みは森の中のペンションでちゃんとオリジナルシリーズへの目配りもしている。水の中から飛び出してくるシーンも刺激的。
2023年に再び新しい死霊伝説を甦らせるための布陣は出来ている。ストーリーで見せるのではなく、一気にただただ死霊との戦いだけで最後まで引っ張っていく。単純だけど飽きさせない。もちろん95分と短い。
40年の歳月を経て低予算を逆手に取って新機軸を展開したレジェンド・オブ・ホラーの今あるべき作品としての確かな方向性を示して佳作。