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映画・演劇のレビュー

劇団もんじゃ『プラットホーム スピンオフ』

2013-01-17 20:51:14 | 演劇
 こういう作りの甘い芝居をたまに見るのは、悪いことではない。お芝居が大好きで、演じることで、楽しい時間を過ごしたい、というこの芝居に関わった人たちの素直な想いがちゃんと伝わってくるから、これはこれで気持ちがよかったのだ。

 作品としては別にどうこういうことはない。オムニバススタイルで、駅のプラットホームを舞台にした寸劇が語られていく。そこには取り立てて、凄い話があるわけでもなく、なんとなく、見ていると、どんどん流れていく。70分という上演時間は、長くもなく、ちょっと短いけどこれくらいが内容にぴったりで、作り手はそのへんをよく心得ている。お客さんを退屈させない、ところで終わらせる。要するに作品自身にはそれほどの力はない、ということだ。

 なんだか厳しいいい方に聞こえるかもしれないが、たわいない話を、たわいないまま、ちゃんと見せる術を心得ている、ということが言いたかったのだ。

 5年振りに芝居をするらしい。学生から社会人になり、なかなか以前のようには芝居を自由にはできなくなったけど、でも、なんとかみんなで時間をやりくりして、「久しぶりに芝居をやろうぜ!」って感じ、か。なんだか、そういうのって、とても、いいなぁ、と思う。いろんなタイプの芝居があっていいのだ。そして、観客だけでなく、まず演じている方が、芝居を楽しんでいる、そんな気分が伝わってくる芝居って、それはそれでいいなぁ、と思う。

 あまりにありきたりで、話に奥行きもないし、通り一遍の作品ばかりだから、これ以上書くこともないのだが、絶対に貶しているわけではないからね。怒らないように。

 劇中に2度ほど登場する巨大な「吊革(頭)さん」(取り込んだ写真にある)はとても、おもしろかったし、あれは実にインパクトがあるキャラクターだった。なかなかに衝撃的存在で笑える。

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