なんと2年振りの2劇本公演ということらしい。2劇は毎年、必ずやってくるから、そんなにもご無沙汰していたなんて思わなかったけど、そうだったのだ。(でも、2劇を忘れていたのではない。断じて。僕に限って忘れるなんてことはない。)前回の『かなこるむ』以来となる。驚きだ。だいたい受付のところで音間哲さんから「お久しぶりです」なんて言われて、「えっ!」と思ったほどである。
前回もそうだったが、今回もまた、以前の阿部さんの作品とはいささか趣が異なる。これって新展開なのか。前作は舞台美術を担当する竹腰かなこさんを前面に押し出した作品だったが、今回も、役者にあて書きしたような導入。どこまでが本気でどこからが冗談なのか、よくわからない。
どこに向かうのかもよくわからないし、先の読めない展開。というか、行き当たりばったり。舞台監督が最初の前説をしていたら、「主役がこないから、あなたが演じるように」と舞台上の役者に言われて、仕方なく演じ始めるところから、芝居が始まるなんてふざけた出だしだ。だいたい最初の、芝居が始まって45分(台詞で言うし)で、もう終わる勢いで終わりのあいさつが始まるし。いろんな意味でしっちゃかめっちゃか。
記憶を失う。シリアスにアルツハイマーをテーマに据えるか、と思ったが、あれもこれも、満載して何がなんだか、わからん状態を提示する。終盤になって話が今回も(前作『かなこるむ』もそうだった)原発に帰着したのにも、驚くが、それを作品の中心にしてシリアスに据えるのではない。本気も冗談も紙一重で、思いつくままどんどん話も横滑りしていくに任せる。だいたい記憶を失う話とはいえ、最初は、主人公には記憶がない。というか、彼は主人公ですらないのだ。だって彼は役者ではなく、この芝居の舞台監督なのである。(という、設定なのだが)だから台本は覚えていない。ということで、「記憶がない」ということになる。まず、そんなところから芝居は始まる。
演出の阿部茂さんは、自由自在にお話を紡ぎだす。そこにはまるで迷いがない。なんでもあり、なのだ。さすがベテランである。どんなふうにも読める作品で奥行きがあるような、ないような、その捉えどころのなさが魅力。
前回もそうだったが、今回もまた、以前の阿部さんの作品とはいささか趣が異なる。これって新展開なのか。前作は舞台美術を担当する竹腰かなこさんを前面に押し出した作品だったが、今回も、役者にあて書きしたような導入。どこまでが本気でどこからが冗談なのか、よくわからない。
どこに向かうのかもよくわからないし、先の読めない展開。というか、行き当たりばったり。舞台監督が最初の前説をしていたら、「主役がこないから、あなたが演じるように」と舞台上の役者に言われて、仕方なく演じ始めるところから、芝居が始まるなんてふざけた出だしだ。だいたい最初の、芝居が始まって45分(台詞で言うし)で、もう終わる勢いで終わりのあいさつが始まるし。いろんな意味でしっちゃかめっちゃか。
記憶を失う。シリアスにアルツハイマーをテーマに据えるか、と思ったが、あれもこれも、満載して何がなんだか、わからん状態を提示する。終盤になって話が今回も(前作『かなこるむ』もそうだった)原発に帰着したのにも、驚くが、それを作品の中心にしてシリアスに据えるのではない。本気も冗談も紙一重で、思いつくままどんどん話も横滑りしていくに任せる。だいたい記憶を失う話とはいえ、最初は、主人公には記憶がない。というか、彼は主人公ですらないのだ。だって彼は役者ではなく、この芝居の舞台監督なのである。(という、設定なのだが)だから台本は覚えていない。ということで、「記憶がない」ということになる。まず、そんなところから芝居は始まる。
演出の阿部茂さんは、自由自在にお話を紡ぎだす。そこにはまるで迷いがない。なんでもあり、なのだ。さすがベテランである。どんなふうにも読める作品で奥行きがあるような、ないような、その捉えどころのなさが魅力。