こんなにもぶっこわれててしまった映画は滅多にない。あまりの凄さに衝撃なんて通り越してしまって、これは最後はいったいどうなってしまうのか、心配になってしまった。ドキドキハラハラとはこの映画のためにある言葉だ。完全に空中分解してしまうのではないか、と確信させる異常さである。最後まで見て、一応安心はしたが、でもこの異常は尋常ではない。
三池崇史はいつもながらやんちゃだ。映画の常識なんて屁とも思わない映画作りを平気でやっている。だが、今回はいつもとはちょっと違う。描くべきものが暴力ではない。なんと学問なんてものを中心に据えた映画なのである。そんな映画、今まで1度として見たことがない。そこに挑戦する。
なんと映画館で、大学のゼミの発表をやってしまうのだ。これは前代未聞の出来事だろう。しかも、偽大学生に物理学科のゼミ発表をさせるのだ。テーマは「宇宙の作り方」。噴飯もののおふざけになりかねないのに、それを超シリアスで、僕ら文系人間には難解極まりないことを見せる。大体文系とか理系とか言う以前に勉強が大嫌いで、今、すし屋の見習いをしているロックンローラーである主人公にそれをさせるのである。これって、映画として絶対成立しないようなシチュエーションであり、もちろん現実にでも、ありえない。
しかも、相手は、大学教授や院生を含む学生たち、そして、天才物理学者でもある少女である。彼らを捩じ伏せること。さらには、観客である僕らも納得させること。さらには何の知識もない凡人である観客に内容を理解させ、納得すらさせなくてはならない。超えるべきハードル高すぎ。その上それがエンタテインメントであることまで要求させる。これは一応メジャーの娯楽大作映画であるのだから、当然のことだろうが、それってあんまりだ。
こんなのも過酷なハードルをいかにして三池は越えるのか。新生角川春樹映画のプログラムピクチャー的アイドル青春もの、というパッケージングのもとで作られたはずのこの映画は、とんでもないことを僕らに突きつけてくる。
これは生半可な気持ちでは太刀打ちできる映画ではない。バカと紙一重の天才的な映画を目指す驚天動地の超大作だ。映画としては破綻しまくっている。だいたいこういう発想で映画を作ること自体が無謀で、それを東映系全国一斉公開することも、無茶としかいいようがない。当然劇場には数えるほどしか客はいない。一応4週間上映するようだが、2週目から上映回数は大幅に減り、梅田でも今では朝と夜の2回しか見れない。内容がまるで伝わらないし、一見地味で、インパクトも弱い。だが、ここにも書いたようにこれは想像を絶する凄まじい映画なのである。
17歳の天才少女(谷村美月)と、落ちこぼれロッカー(市原隼人)が、彼女の部屋を舞台にして、研究室の中で宇宙を作り上げていく過程が描かれる。その壮大な実験が描かれていくのだ。本当に人間の手で宇宙は作れるのか。映画はそんなバカな課題と真正面から向き合っていくことになる。これはスピリチュアルなものではない。リアルな物語だ。こんなにも凄いものが、誰の目にも触れることなく、全国一斉劇場公開されている。ここまで目立つのに、人知れず埋もれている。このカルト映画を見逃すな!
三池崇史はいつもながらやんちゃだ。映画の常識なんて屁とも思わない映画作りを平気でやっている。だが、今回はいつもとはちょっと違う。描くべきものが暴力ではない。なんと学問なんてものを中心に据えた映画なのである。そんな映画、今まで1度として見たことがない。そこに挑戦する。
なんと映画館で、大学のゼミの発表をやってしまうのだ。これは前代未聞の出来事だろう。しかも、偽大学生に物理学科のゼミ発表をさせるのだ。テーマは「宇宙の作り方」。噴飯もののおふざけになりかねないのに、それを超シリアスで、僕ら文系人間には難解極まりないことを見せる。大体文系とか理系とか言う以前に勉強が大嫌いで、今、すし屋の見習いをしているロックンローラーである主人公にそれをさせるのである。これって、映画として絶対成立しないようなシチュエーションであり、もちろん現実にでも、ありえない。
しかも、相手は、大学教授や院生を含む学生たち、そして、天才物理学者でもある少女である。彼らを捩じ伏せること。さらには、観客である僕らも納得させること。さらには何の知識もない凡人である観客に内容を理解させ、納得すらさせなくてはならない。超えるべきハードル高すぎ。その上それがエンタテインメントであることまで要求させる。これは一応メジャーの娯楽大作映画であるのだから、当然のことだろうが、それってあんまりだ。
こんなのも過酷なハードルをいかにして三池は越えるのか。新生角川春樹映画のプログラムピクチャー的アイドル青春もの、というパッケージングのもとで作られたはずのこの映画は、とんでもないことを僕らに突きつけてくる。
これは生半可な気持ちでは太刀打ちできる映画ではない。バカと紙一重の天才的な映画を目指す驚天動地の超大作だ。映画としては破綻しまくっている。だいたいこういう発想で映画を作ること自体が無謀で、それを東映系全国一斉公開することも、無茶としかいいようがない。当然劇場には数えるほどしか客はいない。一応4週間上映するようだが、2週目から上映回数は大幅に減り、梅田でも今では朝と夜の2回しか見れない。内容がまるで伝わらないし、一見地味で、インパクトも弱い。だが、ここにも書いたようにこれは想像を絶する凄まじい映画なのである。
17歳の天才少女(谷村美月)と、落ちこぼれロッカー(市原隼人)が、彼女の部屋を舞台にして、研究室の中で宇宙を作り上げていく過程が描かれる。その壮大な実験が描かれていくのだ。本当に人間の手で宇宙は作れるのか。映画はそんなバカな課題と真正面から向き合っていくことになる。これはスピリチュアルなものではない。リアルな物語だ。こんなにも凄いものが、誰の目にも触れることなく、全国一斉劇場公開されている。ここまで目立つのに、人知れず埋もれている。このカルト映画を見逃すな!