『おっぱいバレー』に続くアミューズの変形スポーツもの。悪くはないが、ちょっと中途半端だ。コメディーとシリアスのバランスが悪いから、乗り切れない。
ずっとこの映画のタイトルを『ソフトボール』だと思っていた。思い込みというものは怖ろしい。この映画の存在を知った頃から2ヶ月は経つがその間いろんな媒体でこの映画の告知を見ても、全く疑うことなく『ソフトボール』と信じていた。しかし、劇場に行くためホームページで時間を確認したとき、そこに『ソフトボーイ』と書かれてあるのを見て、「誤植やん」と笑ったんだが、気になり改めてチラシを手に取り愕然とさせられる。ずっと間違っていたのだ。
まぁ、ふつう考えたらいくらなんでも、映画なんだからそこまで単純なタイトルであるはずがない。すぐに気がつきそうなものだろう。だが、まるで気付かなかった。だが、それって『ソフトボーイ』という一応ひねったはずのタイトルのインパクトのなさの証明ではないか。
昨年の『おっぱいバレー』の圧倒的な迫力の前で、この映画はタイトルだけで既に完敗している。そして、予想通り、映画自体も『おっぱいバレー』には遠く及ばない。発想のおもしろさ以上のものを見せ切れてないのが、一番の問題だ。
これは佐賀県の高校には男子ソフトボール部が1校もない、という事実から発想されたドラマだ。ということは、もし男子部を作れば、それだけで全国大会出場に出来るということとなる。このバカバカしい設定が思いのほか広がっていかない。これはただのバカコメディーではなく、きちんとしたリアリティーのある青春映画なのだ。コミカルな青春映画というスタンスは正解だと思うが、細部にはもう少し説得力が欲しい。たった9人の男子部がたった1度の試合もすることなく全国大会に出場し、そこで他府県代表のチームと最初は互角で勝負する、という奇跡をもっとリアルに見せないことには誰も納得はしない。だいたいソフトボールをなめてはいけない、と言ってるくせに、この映画は充分になめてかかっているようにしか見えないのも問題だ。彼らなりには必死に練習している姿は描かれる。しかし、あんなおざなりの練習では全国大会にまで出場するチームに叶うわけがない。ソフトをなめすぎだ。だいたいこの学校には女子ソフト部があるはずなのだから、せめて女子と練習試合でもするシーンがあってもいい。そこでボコボコにされてしまって、そこからどう頑張るのか(『おっぱいバレー』にもそういう展開があったはずだ)というありきたりな展開すらない。
こんなにもソフトをするシーンが少ない映画では、残念だが信用できない。ラストも36対0でコールド負けするという展開も共感を呼ばない。あまりに当たり前だろ、としか思えないのだ。主人公2人のちょっといびつな関係はけっこう面白いし、おとなしい主人公と調子のいい幼なじみの2人3脚は、とてもいいコンビネーションになっている。それだけに、試合のシーンのリアリティーのなさは惜しまれる。あそこにもう少し迫力があればこれはこれでかなりいい線までいったはずだ。
豊島圭介監督はまるでソフトボールのことを知らないでこの仕事を引き受けたらしい。それって決してマイナスではない。変な先入観なしにこの世界に飛び込んだほうがいい。だが、その素人であることが、この映画にとって力にはならなかったようだ。せっかくの題材のよさを生かし切れていない。
ずっとこの映画のタイトルを『ソフトボール』だと思っていた。思い込みというものは怖ろしい。この映画の存在を知った頃から2ヶ月は経つがその間いろんな媒体でこの映画の告知を見ても、全く疑うことなく『ソフトボール』と信じていた。しかし、劇場に行くためホームページで時間を確認したとき、そこに『ソフトボーイ』と書かれてあるのを見て、「誤植やん」と笑ったんだが、気になり改めてチラシを手に取り愕然とさせられる。ずっと間違っていたのだ。
まぁ、ふつう考えたらいくらなんでも、映画なんだからそこまで単純なタイトルであるはずがない。すぐに気がつきそうなものだろう。だが、まるで気付かなかった。だが、それって『ソフトボーイ』という一応ひねったはずのタイトルのインパクトのなさの証明ではないか。
昨年の『おっぱいバレー』の圧倒的な迫力の前で、この映画はタイトルだけで既に完敗している。そして、予想通り、映画自体も『おっぱいバレー』には遠く及ばない。発想のおもしろさ以上のものを見せ切れてないのが、一番の問題だ。
これは佐賀県の高校には男子ソフトボール部が1校もない、という事実から発想されたドラマだ。ということは、もし男子部を作れば、それだけで全国大会出場に出来るということとなる。このバカバカしい設定が思いのほか広がっていかない。これはただのバカコメディーではなく、きちんとしたリアリティーのある青春映画なのだ。コミカルな青春映画というスタンスは正解だと思うが、細部にはもう少し説得力が欲しい。たった9人の男子部がたった1度の試合もすることなく全国大会に出場し、そこで他府県代表のチームと最初は互角で勝負する、という奇跡をもっとリアルに見せないことには誰も納得はしない。だいたいソフトボールをなめてはいけない、と言ってるくせに、この映画は充分になめてかかっているようにしか見えないのも問題だ。彼らなりには必死に練習している姿は描かれる。しかし、あんなおざなりの練習では全国大会にまで出場するチームに叶うわけがない。ソフトをなめすぎだ。だいたいこの学校には女子ソフト部があるはずなのだから、せめて女子と練習試合でもするシーンがあってもいい。そこでボコボコにされてしまって、そこからどう頑張るのか(『おっぱいバレー』にもそういう展開があったはずだ)というありきたりな展開すらない。
こんなにもソフトをするシーンが少ない映画では、残念だが信用できない。ラストも36対0でコールド負けするという展開も共感を呼ばない。あまりに当たり前だろ、としか思えないのだ。主人公2人のちょっといびつな関係はけっこう面白いし、おとなしい主人公と調子のいい幼なじみの2人3脚は、とてもいいコンビネーションになっている。それだけに、試合のシーンのリアリティーのなさは惜しまれる。あそこにもう少し迫力があればこれはこれでかなりいい線までいったはずだ。
豊島圭介監督はまるでソフトボールのことを知らないでこの仕事を引き受けたらしい。それって決してマイナスではない。変な先入観なしにこの世界に飛び込んだほうがいい。だが、その素人であることが、この映画にとって力にはならなかったようだ。せっかくの題材のよさを生かし切れていない。