作、演出を担当した南陽子さんは高校演劇出身で、卒業後もずっとHPFで部員の少ない演劇部のアドバイザーとして優れた作品を毎年夏に提供してきた。そんな彼女がついに満を持して挑む小劇場界デビューである。彼女が、大人の役者を使って何の制約もなく自由に作ったならいったいどんな芝居を作るのだろうか、興味津々で劇場に。
スタジオ☆ガリバーの小空間を生かしたハート・ウォーミングを何の気負いもなく見せてくれた。80分という上演時間もこの作品には適切だ。自殺志願の男女が偶然からお互い用意してきたもの(タイトルにある2つ)を取り替えてしまい死んでしまう。あの世にやってきた2人がそこの住人である2人の男女と出会い、彼らとのやりとりを通して、もとの世界に帰っていくまでのお話。こういうシチュエーション・コメディーってよくあるたわいない話だが、そこに主人公2人の気持ちが自然に、気持ちよく描けれたならきっともっとおもしろいものになるだろう。
いがみ合いながらも、だんだん歩み寄り、気付くと、お互いがお互いを意識している。ボーイ・ミーツ・ガールのラブストーリーの定番である。話自体はなかなかうまく出来ている。だが、残念ながらそれだけだ。母親との関係も中途半端だし、死ぬ理由とか、生きていた頃のこととか、描くべきものはもっとたくさんあったはずだ。それをたらたら描かれても困るが、さりげなく彼らの背景を描いてもいいと思う。ようするに芝居の中にもう少し『何か』が欲しいのだ。表層的なストーリーではなく、彼らが生きている実感を感じさせるものが欲しい。
スタジオ☆ガリバーの小空間を生かしたハート・ウォーミングを何の気負いもなく見せてくれた。80分という上演時間もこの作品には適切だ。自殺志願の男女が偶然からお互い用意してきたもの(タイトルにある2つ)を取り替えてしまい死んでしまう。あの世にやってきた2人がそこの住人である2人の男女と出会い、彼らとのやりとりを通して、もとの世界に帰っていくまでのお話。こういうシチュエーション・コメディーってよくあるたわいない話だが、そこに主人公2人の気持ちが自然に、気持ちよく描けれたならきっともっとおもしろいものになるだろう。
いがみ合いながらも、だんだん歩み寄り、気付くと、お互いがお互いを意識している。ボーイ・ミーツ・ガールのラブストーリーの定番である。話自体はなかなかうまく出来ている。だが、残念ながらそれだけだ。母親との関係も中途半端だし、死ぬ理由とか、生きていた頃のこととか、描くべきものはもっとたくさんあったはずだ。それをたらたら描かれても困るが、さりげなく彼らの背景を描いてもいいと思う。ようするに芝居の中にもう少し『何か』が欲しいのだ。表層的なストーリーではなく、彼らが生きている実感を感じさせるものが欲しい。