黒沢清の新作。なんと5年振りの作品になるらしい。そんなにも間が空いていたなんて驚きだ。しかも、今回は東宝系拡大公開のメジャー大作である。製作はTBSだし。彼がこういう作品を手掛けるなんて初めてのことではないか。
綾瀬はるかと佐藤健が主役を演じるSFホラータッチの作品。最後にはタイトル通り首長竜も登場して、なんだか一見派手。でも、実際の映画は黒沢らしくて、とてもへんな作品で地味。案の定予想したほど観客は入っていないようだ。公開2週目なのにもう小さな劇場に引っ越ししていた。
登場人物はほぼ2人のみ。彼がセンシングという最新医療により、彼女の心の中に入っていく。昏睡状態にある彼女の意識の中でそこから彼女を救い出すための冒険が描かれるのだが、それが当然のことだが手に汗握るものにはならない。このテンションの低さがとても黒沢らしい。2人はほとんど寝たきりだし、心の中の世界では2人きりだし。話はまるで広がらない。後半になると、彼女はようやく部屋の中から出て外に出て行くけど、外の霧にむこうには何があるのか、というサスペンスにはならない。
一応メジャー大作だから、ちゃんと娯楽映画の鉄則を踏まえるような展開はするけど、そこがまた、黒沢らしくなくて、無理したのか、中途半端。これはプロデューサーからの横槍ではなく、何となく自己規制がかかったのではないか。黒沢監督を起用したのだから、最初から普通の映画なんか期待していないはずなのに、どうして黒沢自身がこんなにもエンタメ寄りの映画を作ったのだろうか。あの単純なハッピーエンドも、なんだかとってつけたようでヘンだ。
話の展開がほとんどない。ストーリーを追いかけるタイプの映画ではない。『インセプション』のような恐るべき情報量で少しでもよそ見したら振り落されるような映画の対極をいく作品なのだ。そういう意味では黒沢らしいのかもしれないが、でも、これは何もないのに、ドキドキさせられるわけではない。まるでドキドキしないのだ。それってまずくないか。一応単純などんでん返しもある。でも、そんなのは予定の範囲内で、仕掛けですらない。廃墟と化したリゾート開発地のシーンも、それ以上の展開を見せない。幼いころの出来事、少年の死も、謎解きなのに、話に奥行きを与えない。すべてが中途半端で納得がいかない映画になっている。
綾瀬はるかと佐藤健が主役を演じるSFホラータッチの作品。最後にはタイトル通り首長竜も登場して、なんだか一見派手。でも、実際の映画は黒沢らしくて、とてもへんな作品で地味。案の定予想したほど観客は入っていないようだ。公開2週目なのにもう小さな劇場に引っ越ししていた。
登場人物はほぼ2人のみ。彼がセンシングという最新医療により、彼女の心の中に入っていく。昏睡状態にある彼女の意識の中でそこから彼女を救い出すための冒険が描かれるのだが、それが当然のことだが手に汗握るものにはならない。このテンションの低さがとても黒沢らしい。2人はほとんど寝たきりだし、心の中の世界では2人きりだし。話はまるで広がらない。後半になると、彼女はようやく部屋の中から出て外に出て行くけど、外の霧にむこうには何があるのか、というサスペンスにはならない。
一応メジャー大作だから、ちゃんと娯楽映画の鉄則を踏まえるような展開はするけど、そこがまた、黒沢らしくなくて、無理したのか、中途半端。これはプロデューサーからの横槍ではなく、何となく自己規制がかかったのではないか。黒沢監督を起用したのだから、最初から普通の映画なんか期待していないはずなのに、どうして黒沢自身がこんなにもエンタメ寄りの映画を作ったのだろうか。あの単純なハッピーエンドも、なんだかとってつけたようでヘンだ。
話の展開がほとんどない。ストーリーを追いかけるタイプの映画ではない。『インセプション』のような恐るべき情報量で少しでもよそ見したら振り落されるような映画の対極をいく作品なのだ。そういう意味では黒沢らしいのかもしれないが、でも、これは何もないのに、ドキドキさせられるわけではない。まるでドキドキしないのだ。それってまずくないか。一応単純などんでん返しもある。でも、そんなのは予定の範囲内で、仕掛けですらない。廃墟と化したリゾート開発地のシーンも、それ以上の展開を見せない。幼いころの出来事、少年の死も、謎解きなのに、話に奥行きを与えない。すべてが中途半端で納得がいかない映画になっている。