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映画・演劇のレビュー

『ジョン・ウィック チャプター2』

2017-07-15 16:40:59 | 映画

 

前作はまるで期待しないまま見たから、その衝撃の大きさったらなかった。なんだ、この映画は! と思わず絶句する。こんなお話がありですか、と思いつつ、あれよ、あれよ、という間にどんどん、話が進んで行き、圧倒されて、終わる。アクション映画なのだけど、過激なんだけど、かっこよくて、おしゃれで、スタイリッシュな映画。

 

だから、2作目にも期待する。でも、わかっていたのだ。2作目はない。あれは一度だからあんなふうに驚く。アクションがさらに過激になろうとも、それだけでは、もう驚かないし、それだけなら、普通の映画になる。

 

引退した殺し屋が、愛犬を殺され、盗まれた愛車を取り戻すために、容赦なく、いくらでも殺しまくる凶暴さを繊細に描いた。そのとんでもないところが、凄かった。たかが、車のために、犬のために、と相手は思う。じゃぁ、盗むなよ、殺すなよ、という話なのだが、ジョン・ウィックは容赦なし。静かに余生を送っていたはずなのに、静かで穏やかな自分の生活を乱されたことによって、彼らはジョンからあり得ないような報いを受けることになる。それは不条理とも言える。

 

そんなギャップが面白かったのだが、今回は彼が戦う動機が弱いから、戦うことにあまり意味を感じない。今回はただ、たったひとりで凄腕の殺し屋たちを倒していく、というありきたりなお話になってしまった。あたりまえすぎて、もう驚かない。ジョンが強いのはもう知っている。しかも、続編のためのブリッジのようなお話になっているのも気に入らない。すこし、がっかりした。

 


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