『ミッション・インポッシィブル』の新作公開を前にして、この『タイラー・レイク』の新作が公開された。まぁ別にトムさんを意識しているわけではないだろうが、これもまた同じアクション映画で、最高に過激な作品シリーズだ。どちらもどれだけ凄い新機軸を見せてくれるのか、楽しみにしている。
まず、こちらから。クリス・ヘムズワースも命掛けの凄まじいアクションを見せてくれる。だけど、話がなんだかヘボすぎて、ついていけない。こんなつまらない話にこれだけのアクションを盛り込むアンバランス。アクションシーンが止まった瞬間からの弛緩。アクションはどれだけ過激になってもドラマが伴わなくては、弾まない。今回敢えて(たまたま、だが)スマホで見たから余計にそう思ってしまうのかもしれないが、乗り切れない。
大画面と派手な音響があれば、驚きは倍増するだろうが、そんなことで騙されてしまうのは心外だ。映画はまずストーリーだろう。アトラクションではないから。2時間引っ張っていくだけの面白さがなくては務まらない。
これはNetflixが大予算を投入して配信する期待の新作なのだが、これだけの大作が劇場公開されないってなんだかなぁ、とは思う。でも、劇場公開しないのにはそれなりの理由もあるか?なんて思わされる仕上がりなのだ。
凄まじいアクションだし、それなりには面白い。監督はアクション監督出身で前作でデビューしたサム・ハーグレイブが続投。確かにアクションシーンはいいのだけど、何かが足りない。さっきストーリーと書いたが、実はそれだけではない気がする。脚本を担当するジョー・ルッソ監督は自作と同じアクション映画なのに、バランスを敢えて損なう作りをしている気がする。これはアクション比重を高めに設定して、それに映画がどれだけ耐えられるか、というそんな実験なのか。だから敢えて陳腐なドラマを用意しているのか、とか。変な勘繰りをしてしまう。
人海戦術は時に単調で、リアリティに欠く。やり過ぎも同じ。アクションだけをとってもバランスは大事だ。これはいろんな意味でちぐはぐな映画になっている。