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映画・演劇のレビュー

劇団ひまわり・ブルーシャトルプロデュース『雪の女王』

2015-11-01 23:22:34 | 演劇
ブルーシャトルプロデュースヴァージョンを見たので、子供たちの活躍する初々しい芝居ではない。だが、ブルーシャトルプロデュース作品としては初めて女性キャストとの共演で、そういう意味では興味深い。


これは劇団ひまわりとブルーシャトルのコラボレーション作品で、他にもいくつものヴァージョンがある。僕が見たのはブルーシャトル版だが、日向薫が雪の女王を演じる劇団ひまわりの若い役者たちによるヴァージョンもA,Bプロ2パターン(しかも、大阪版だけではなく、東京版も)あるようだ。稽古は大変だっただろうなぁ、といらぬ心配すらしてしまう。

全プロ共通で演じながら、このブルーシャトル版では、本来なら劇団ひまわりの子供たちが演じる妖精たちや、山賊の手下といった膨大なキャスト、さらには、雪の女王までも、彼らが演じて見せる。さすがに、ドラマの中心となるヒロインの2人の少女たちはひまわりの女の子たちが演じるけど、それ以外はほぼブルーシャトルのメンバーが兼ねる。

ミュージカルであり、華麗なダンスシーンや、激しいアクションシーンも含めて、盛りだくさんのエンタテインメントで、アンデルセンの童話をベースにしたいつものブルーシャトル作品とはいささか肌合いの違うソフトタッチの作品だ。

だが、主人公である2人の少女たちをしっかり引き立てて、おとぎ話の世界をリアルに体現してみせた。センターを女の子たちに譲って、きちんとしたアンサンブルで、この単純極まりないお話を飽きさせることなく綴っていくのは至難の業であろう。だが、彼らは見事その使命をこなす。

もちろん、それは作(公演用台本)、演出、照明をいつも通り一手に引き受けた大塚雅史さんの力量なのだが、各パートが遺憾なく力を発揮したアンサンブルプレーとして評価されていい。いくものように、シンプルな舞台と装置は、効果的で、ビニール傘を、武器、雪、だけではなく、さまざまなものとして使う仕掛けもいい。2時間、十分に楽しめる。


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