3月公開の『ブラックパンサー』がとても面白かった。この手のヒーローものとしては画期的な作品だった。今までになかったパターンで、感心させられた。黒人を主人公にしたヒーローもの、というだけでも新機軸なのだが、そこに留まらない。彼を、アフリカのとある国の王子さまに設定し、そんな彼がアメリカでヒーローとして悪と戦うという図式の中に無理矢理はめ込んだ荒技。アクション映画としての新 . . . 本文を読む
昔、にっかつ(漢字に戻る以前)ロマンポルノをほぼ、毎回見ていた頃がある。3本立てで2週間に一回番組が変わる。そのほとんどが箸にも棒にもかからないつまらない映画で、時間の無駄だったが、それでも10本に1本くらい、凄いものがあり、それがどこから出てくるのか、予想不可能だから、自分の目で確かめるしかなかった。そんなギャンブルを楽しんでいた。もちろん、監督の名前で選んだらあまりハズレること . . . 本文を読む
ただ、身長が異常に低かっただけで、みんなから気味悪がられる。バカにされて、差別を受ける。146センチメートルという、ただそれだけで人生がねじ曲げられてしまう。そんな彼が170センチメートルの美女に恋するというラブストーリーから、これをコメディだと予測する人はもうその時点で、差別主義者だ。
これはコメディなんかじゃない。とんでもなくリアルで切実なお話で、感動的な作品 . . . 本文を読む
アン・リーの最新作は、一度は劇場公開が決まっていたのに結局はDVDリリースのみになってしまった。考えられないことだ。3D超大作だし、これほどの傑作であるにもかかわらず、劇場で見られない。それくらいに今、映画はたくさん作られているってことか。(でも、つまらない映画が山盛り劇場公開されているのだけど、それは何?)
イラク戦争からの帰還兵たちが歩く広告塔としてイベントに . . . 本文を読む
想い出の2018年、というスタンスがとてもいい。この瞬間すら想い出の彼方にしてしまうというのだ。今のはずなのに、追憶の彼方。そんな遠くて懐かしい場所、時間から芝居はスタートして、ラストで再びそこに戻っていく。
2年前に上演するはずだったこの作品を2年の歳月を経て、確かにここで上演する。それは上演を中止にしたことへのリベンジではなく、とうぜんの帰結なのだ。こうなるべくしてこうなった。
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47年ぶりの再演だという。若かりし日の唐十郎による渾身の作品を、久保井研が若い役者たちを率いてエネルギッシュに再現する。台本自体に力があるから、グイグイと引っ張って行かれる.まだ何物でもなかった唐十郎がその仲間たちと時代を切り開いていく瞬間を背景にしている。時代の寵児として60年代終わりから70年代にかけて、全力で駆け抜けていった頃、そのエネルギーが今一度ここによみがえる。
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『君の膵臓がたべたい』の月川翔監督最新作。菅田将暉と土屋太鳳が主演。あり得ない行動をするとんでもない問題児と他人のことには一切興味のない女の子。そんなふたりがたまたま出会い、関わりを持つことになる。例によってこれも人気少女マンガの映画化らしい。
映画はあり得ないような無茶を提示するけど、そこにある彼の少年のままの純粋さが後押しする。これでも大丈夫なのだと。少女の頑なさも、なにもそ . . . 本文を読む