習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

日活ロマンポルノ・リブート

2018-05-07 21:25:01 | 映画

 

昔、にっかつ(漢字に戻る以前)ロマンポルノをほぼ、毎回見ていた頃がある。3本立てで2週間に一回番組が変わる。そのほとんどが箸にも棒にもかからないつまらない映画で、時間の無駄だったが、それでも10本に1本くらい、凄いものがあり、それがどこから出てくるのか、予想不可能だから、自分の目で確かめるしかなかった。そんなギャンブルを楽しんでいた。もちろん、監督の名前で選んだらあまりハズレることはないのだが、新人で凄い人がいきなりでてくることもあり、目が離せない。それと出会った瞬間のシビれるような感動が欲しくて、限りなく無駄な時間をそこに注ぎ込んでいた。まだ若かったから出来たのだろう。だいたいポルノ映画館に入ることすら後ろ暗くて恥ずかしかった。それでも、自分はポルノが見たのではなく、アートを見るのだと言い訳して薄暗い劇場に足を運んでいた。

 

今回のイベント上映は、今、ロマンポルノが復活したなら、どんな奇跡が生じるのか、という期待を抱かされるもので、錚々たる5人の監督たちが、初めてロマンポルノにチャレンジする。夢のような企画だと思った。これを見逃すわけにはいかない、と思ったのだが、劇場で1本見たとき、心からがっかりしたのを憶えている。

 

もういいよ、と思った。でも、1本で全てを判断するのはよくないと思い、今回残りの4本から3本を厳選して、借りてきた。どんどん心が暗くなっていった。こんなはずじゃない、と何度も思う。これは悪夢だ。

 

もうこれ以上、書くまい。3本とも最悪だった。これはない。栄光のロマンポルノに対する冒涜だ。なぜ、彼らはこんなつまらない映画を作ったのか。理解に苦しむ。彼らはにっかつの悪い部分をリブートしたのか? もちろん、そんなわけはない。10分に1回絡みがあったなら、何をしても構わないというルールが彼らをダメにしたのなら、何をか、言わん。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『おとなの恋の測り方』 | トップ | 『アベンジャーズ インフィ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。