ダルデンヌ兄弟の新作。今回もまぁ、そっけない映画だ。ラストなんて「えっ、」と思う。そこであんな風に簡単に死なせるのか、と。主人公をまるでどうでもいい脇役のように、あっけなく死なせてしまう。でも、それは衝撃ではない。それくらいに彼女の存在なんか虫けら同然なのだ。彼らにとっては。弱きものはどんどん搾取される。必死になってもがいてもどうにもならない。
トリとロキタは、偶然出会い共に生きた。生き抜こうと . . . 本文を読む
1978年夏。1年遅れて『スターウォーズ』が日本で公開された時、彼らは高校2年だった。映画好きの少年たちが文化祭でSF映画を作る。クラスで8ミリ映画を作った夏から秋にかけての物語。小中和哉監督の自伝的映画。あの頃、彼らが夢中になっていた8ミリ映画の日々を振り返って、大人になって映画監督にもなっている今の自分が映画化した。なんとも幸福な映画である。スピルバーグやルーカスに憧れて映画を目指して生きてき . . . 本文を読む
4月になった。新年度のスタートだ。同時に春演(大阪春の演劇まつり)も始まった。3年振りの本格開催。今回は久しぶりに若手劇団の参加もある。8劇団参加で7月まで。
今年のトップバッターは大阪芸大の映像学科在籍中のこの集団である。これが旗揚げで、学内の試演会から始めて、いきなりの埼玉、大阪ニ都市公演。当然だが手慣れてなく初々しい感じが、いい。芝居への先入観がなく、なんでもやろうという感じ。芝居の段取り . . . 本文を読む
いつものように白石さんの小説は長い。今回も上下巻で800ページ近くある。だけど全く飽きさせない。一気読みはさすがにないが、3日ほどで読み終える。特に前半が素晴らしい。松雪先生が登場する前である。もちろん松雪先生は最後まで出てこないけど、前半は松雪先生の名前すら出ないのだ。
最初は短編連作のスタイルを踏むのだが、そうではない。各エピソードが、空を飛ぶシーンを目撃することで終わる。そ . . . 本文を読む