NMB48のアイドルが主演するハートフルコメディ。台本はTVドラマの脚本家は江頭美智留。お話はかなり緩く、設定にもかなり無理がある。ただ無理を押し通して最後まで、見せる。東京から山形までの無許可遺体運搬なんていう特異な設定は面白いが、お話にはリアリティはない。あり得ないことの連鎖は意図的にではなく、最初から破綻している。台本の不備だけど、それが途中から快感になる。めちゃくちゃ大胆な辻褄合わせには呆 . . . 本文を読む
これは傑作だ。舞台となるのは尼崎の市営団地。チラシには「夏の始まり。傍らのドブのような水路にも蛍がやってくる。」とある。冒頭のナレーション。シンプルな舞台装置。それらはこれから始まるドラマを客観視するための仕掛けだ。慎ましく、誠実。そんなある夫婦の破局が描かれる。きっかけは些細なことかもしれない。妻は一緒に蛍を観に行きたかっただけ。もちろんそんな願い事が彼から拒否されたことが、彼女の失踪の理由では . . . 本文を読む
優れた児童書は優れた一般書以上にあらゆることの核心を突く。ラジカルだ。この作品は虐めを扱って大人たちの愚かさを糾弾するのではなく、きちんと諌める。バカな大人を優しく諭すようなこの小説を児童だけに与えるのはもったいない。大人たちこそがこれを読んでちゃんと学んだほうがいい。学年主任の高畑先生は子どもたちから教え諭される。彼は子どもたちにちゃんと謝罪する。なかなかいい大人だ。間違いは誰にだってあるからね . . . 本文を読む