先日見た『コンパートメントno.6』のユホ・クオスマネン監督のデビュー作、2016年のフィンランド映画である。第69回カンヌ国際映画祭のある視点部門である視点賞を受賞した作品。小さな映画だけど、丁寧に作られていて、なのにそっけない。モノクロで16ミリで撮られている。監督が細部までこだわった逸品。
1962年のお話。実話の映画化。フィンランドでボクシングの世界戦が行われる。オリ・マ . . . 本文を読む
もちろんこのタイトルは寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』を踏まえたものだ。あの名著、そして寺山の劇場用長編映画デビュー作。70年代、寺山修司の映画と著作は僕にとってバイブルだった。さらには天井桟敷の芝居に憧れて、東京に行くことを夢見る高校生だった。懐かしい。あれから45年。あっというまに今に至る。僕が、まさかの老人の仲間入りである。
この著書の太田和彦さんは僕より一回りほど年上 . . . 本文を読む
またまた「食」を取り上げた本だ。ただ今回はそこに「本」をアレンジした。しかも「絵本」だ。僕にはまだ絵本は敷居が高い。せいぜいYA本止まり。児童書もまだまだ難しい。子どもの本はあまりに膨大で手が出せないって感じ。まぁそんな大袈裟な話ではないけど。
さて、この本である。さすがポプラ社文庫オリジナルだ。甘いだけではない。一本筋が通っている。とてもよく出来た短編連作スタイルの長編小説である。 . . . 本文を読む