これは(巷では)ルキノ・ヴィスコンティ監督の傑作だ。そんな映画となんと約45年振りに再見する機会を得た。あれは高校1年の時だ。(たぶん) 昔心斎橋にあった名画座、戎橋劇場で見た。(はずだ) でも、もしかしたら大毎地下だったかもしれない。記憶はあいまいだ。覚えているのは実に退屈な映画だった、ということ。それだけ。当時はまだ子供だったから理解できなかったのかもしれない。だから、(もしかしたら)今見たな . . . 本文を読む
ダーレン・アロノフスキー監督作品。スタンダードサイズの室内劇。部屋からほとんど出ない。(まぁ彼は出たくても出られないのだけど)ブレンダン・フレイザーが200キロ越えの巨体を演じる。ほとんど身動きが取れない。この圧迫感は半端じゃない。そこに彼の心情は(この部屋の狭さに)象徴される。彼の巨体はタイトルの鯨と重なる。死に体の姿。生きる屍。惨めで悲惨。
月曜日から金曜日まで、亡くなるまでの5日間の日々が . . . 本文を読む
これは『ロストケア』と同じパターンの映画だ。目的は犯人探しではない。犯人はすぐに明らかになる。ただ彼の目的は明確にはならない。いや、明確すぎて、疑いたくなる。そんな正義はあるのか、と。映画は彼が逮捕されてからのお話がメインになる。
2000年代初頭、イランの聖地マシュハド市に蔓延る娼婦たちを16人殺した男は自分の行為は殺人ではなく粛正だと主張する。そんな彼をたくさんの大衆が支持する。ただ『ロスト . . . 本文を読む