大好きなクラシック音楽、本、美味しいお店、旅行などの記録です。
休日はソファの上でリラックス!
トンカツの卵とじ
妻がいないので自炊しているのですが最近のヒット作のトンカツの卵とじです。始めはお弁当として作ったのですが、よかったので家でも作っていただいています。
<食材>
生パン粉付とんかつ用(スーパーで売っている)、うどんスープ(粉末つゆの素)、卵2コ、水150cc
①TEFALのフライヤーでトンカツを揚げる。170℃で5分間。
②小さなフライパンに水を150cc入れる。沸騰させたらうどんスープの素を入れて溶かす。
③トンカツが揚がったら、適当に切ってからフライパンに入れる。トンカツを裏返して味を浸み込ませる。沸騰したら溶いた卵を流し入れて、暫くしたら火を止める。
④最後に黄身だけの卵をトンカツの上に流し入れて出来上がり。皿に移さずにフライパンで食べる。
普通はどういう出汁を使うのか分かりませんが、たまたまあったヒガシマルのつゆの素を水少なめで使ったら濃いめの味がばっちり合いました。2個目の卵は黄身だけ最後に追加するのは、親子丼の人気店がやっている技です。
自画自賛になっちゃいますが、正直、こんなに美味しいカツ丼の上層部を食べたことがありません。トンカツは1枚130円くらいなので全部で200円弱、10分くらいで出来るので手軽に作って味わえます。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
カズオ・イシグロ「わたしたちが孤児だったころ」
2011年08月06日 / 本
カズオ・イシグロの長編第5作、「わたしたちが孤児だったころ」です。ロンドンで私立探偵をしているバンクス。上海で過ごした幼少期、その後のイギリス渡航への経緯が長く回想されます。一般的な物語のように回想は前段で、回想が終わってから本編が始まるというのではありません。イシグロ作品は回想も重要なパーツで本編です。
イシグロ作品は純文学の要素と日常に潜む謎、ミステリーの要素とがミックスしているのが特徴の一つですが、この作品は私立探偵による事件の捜査、行方不明となった親探し、所々で顔を出す謎の女というミステリー仕立てが脇役ではなく、前面に出てきます。しかし、そこはイシグロです。単純な謎解きものではありません。
物語はしっとりと語り始められ、回想は甘く、ああ、これは「日の名残り」に似た雰囲気を持つ作品だなあと読み進めるのですが、中盤から「充たされざる者」のような不条理なシーンも顔を出しつつ、筋立ての輪郭が徐々に曖昧になってきます。
しかし、最後は大人の冒険物語、ミステリーとしてまとめられます。序盤、中盤、終盤と大まかな印象が変化します。最終章は切ない。ディケンズの「デビッド・コパフィールド」を思い出しました。イギリスらしい上品で落ち着きのある描写、余韻が残ります。
イシグロ作品に一貫して取り上げられてきた幼少時代の回想と成長してからの現実との対比の意味がはっきりしてきたように思いました。
両親に守られて育った幸せな子供時代、それが独り立ちして大人になると現実の厳しさを知る。幸せな時代の記憶はいつまでも残り、自分の子供を育てるような年齢になっても、心の中は父親、母親に育てられてる小さな子供のままである。だから、小さな子供だろうといい齢の大人だろうと、人間は両親を失った時からみな孤児になる。
物語の姿形がはっきりせず、結末の予想ができないので、ワクワクしながらも途中まで戸惑いながら読み進めるのですが、最後はぐっと盛り上げて、読後感爽やか。これは傑作です。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )