クアトロのシェフの食の記憶に残る大きな出来事は、中学生の頃のことだったろうか。
クアトロの父がお土産に持って帰った本マグロの刺身である。
ボストンの本マグロだったろうか、脂のきめ細かい乗り具合はもちろん、鮮度、さばき方、食べ頃の温度などが揃ったためだろうか、今でもあのマグロが美味しいマグロの基準になっていると話すクアトロのシェフ。
最近では、境港の近海生天然本マグロに魅せられているクアトロのシェフ。
過去の食の記憶から境港の近海生天然マグロにたどり着いた。
境港は、島根県の妖怪の町としても有名。
生マグロの出荷でも日本一としても有名だ。
その境港の妖怪がもたらしたような美味しい本マグロがクアトロに入荷している。
今の時期にだけ上がる近海ものは、脂のきめ細かさと鮮度、ねっとりとまとわりつくような旨みに優れている。
さらに、クアトロの父の選ぶ妖怪夏酒も現れると、あなたの食の記憶が一新されることだろう。
本日、関東地方は梅雨入りしたと見られるとのこと。
そして本日、クアトロに銚子産の入梅イワシが入荷したと見られるとのこと。
銚子のイワシは6月から7月が脂の乗りが良く、特別に美味しい。
この頃の銚子産イワシを入梅イワシと呼ぶ。
イワシも今ではすっかりと高級魚になってしまった。
漁が少なくなったこともあるのだろうが、食べる側も選択肢が増えて、美味しいものだけを食べるのだから、イワシも入梅イワシだとかブランドものを好む。
クアトロもそんな罪の一端を担っているのだろうか。
そして、この入梅イワシにヴェルメンティーノと云う白ワインを合わせるとこれが旨い。
ヴェルメンティーノは、イタリア・サルディニアのものだが、このサルディニアの語源がサーディン=イワシとも云われるのだから、このワインとイワシは合うのだろう。
まさしく、ジューンブライドだ。
さて、今年のイワシ漁は豊漁なのだろうか。
イワシを追ってブリやカツオもこれからやって来る。
高級魚になったとは云え、まだまだ庶民の楽しみのイワシ。
クアトロでイワシのカルパッチョでも食べながらワイングラスを傾け、自粛疲れを癒したいものだ。