カミンハのキャンプサイトがすばらしくよかったので後一泊はしたいと思ったが、朝から豪雨で、又一日キャンパーに閉じ込められてはたまらないと 南に16kmいったところのヴィアナ・ド・カストロへ向かった。途中から雨は小止みになったが、バケツをひっくり返したようなにわか雨が一日に何回もやってきた。ここのキャンプ場も後ろを長い砂浜が延びて、観光見所の旧市街地まで2km、長い橋を渡ってゆく。
この日の夕暮れ時、雨の晴れ間にサイトの裏の浜辺へ散歩に行った。夕日が沈む直前、強風の中で若い人たちがカイトサーフィンをやっていた。風に乗って舞い上がったり、波間を一直線に滑走したりで見ていて飽きなかった。11月の半ば過ぎでもそれほど寒さを感じなかった。
きれいな石畳の路地が多い旧市外は、クリスマスデコレーションがなされ、ショッピングセンターの中はもう完全にクリスマスの雰囲気。
この町で一番感心したのが、このまっすぐなメイン道路、カステロ駅からまっすぐ河へ向かう緩やかな坂道で、この大通りの下がまったく同じ長さの駐車場になっている。これを考えた人はなんと頭のいい人だとすっかり感じ行ってしまった。
14世紀からなるこの町外れには大きくていまだほころびのない城砦が在る。港の近くだからかもめの声や起重機の音、波の打ち寄せる音や、車のうなり、町のざわめきが聞こえてくる。城砦の壁の上を一周してみたが、誰一人にも出会わなかった。城砦のすぐ後ろに金色の海の女神像が立っている。腰巻が風になびいて、彼女は小さな帆船を手にしていた。
駅やショッピングセンターへ向かう上り坂には、ケーブルカーの乗降口が在り往復しても一人3ユーロ、これで標高249メーターのサンタ・ルシア山へ登った。
頂上にはネオ・ビザンチン様式のサンタ・ルジア教会が建っている。ここは町のほとんどから見上げることが出来る。ここから見下ろす旧市街も、左手に広がる巨大な新市街もテラコッタ色に白壁でとっても美しい町だ。教会の中もシンプルかつ色彩がきれいで、スペインのカソリック教会とはまったく違った雰囲気だった。