りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

流星ワゴン、再読。

2011-11-26 | Weblog
この1週間ほど、重松清の「流星ワゴン」を久しぶりに読んでいた。

以前に読んだのは、今から4年ほど前だったと思う。
当時、僕は主人公とほぼ同い年だった。

それから4年が過ぎて、僕は主人公よりも年上になった。
しかし、物語に登場してくる主人公の息子は12歳。
そしてもう一人の登場人物の少年、健太くんは8歳。
奇しくも、僕の子どもは、今年この二人と同い年になった。
もっとも、これについては、読みはじめて気づいたのだが。

先日読んだ荻原浩の「あの日にドライブ」にしろ、
今回の「流星ワゴン」にしろ、書かれているテーマはほとんど
同じだと言っていいと思う。

人生のやり直し。

自分の思い描いていた人生があっけなく崩壊したごく平凡な
40男の後悔と未来。
それについて、それぞれの筆致で綴られている作品だ。

この「流星ワゴン」には、様々な人間関係が描かれている。
しかし、それらは複雑な人間関係などではない。

ひと言でいえば、親子だ。
この物語は、それを様々な視点・立場から描かれている。

前回読んだ時には、主人公と妻の美代子の関係の行く末が
最も心に残った。
主題の「親子」よりも、物語においては傍流の関係である
「夫婦」の関係の方が僕には気になったのだ。

今考えれば、その頃の僕は、まだ子どもも幼かったためか、
親子のつながりよりも夫婦のつながりの方に重心を置いて
いたのかも知れない。

今回読んで、最も心に残ったのは、美代子との夫婦関係ではなく、
やはり親子の関係だった。

人の親となって12年。
大仰かも知れないが、この4年間でやっと僕もこの小説に
追いついたのかもしれない。

僕はたしかに2児の父だが、それと同時に、両親が健在なので、
両親の長男でもある。
つまり、まだ誰かの子どもなのだ。

読み進むうちに、そのことをあらためて思い出した。

たった2kmほどしか離れていない僕の実家。
そこには、最近やけに年を取ったように感じる両親が2人で
暮らしている。
徒歩でも帰れるその実家に、しばらくゆっくり帰っていない。

年末年始も近いが、その前に、理由はないけど、泊まりがけで帰ろうか。
自分の子どもたちを連れて・・・。
コメント
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